ユーロ圏のHCOB製造業PMIは5月に51.6へ上昇し、市場予想(51.4)を上回った。景況感の分岐点とされる50.0を引き続き上回っており、工場活動の改善が続いていることを示唆する。
51.6という総合指数は、春の終盤にかけて回復基調が継続する中で、生産と新規受注が底堅く推移している可能性も示す。市場は価格圧力や供給面の手掛かりを得るために内訳を精査する見通しだが、ヘッドラインの数値だけでも製造業の持ち直しが維持されていることがうかがえる。
市場見通しとポジショニング
最新の製造業PMIはユーロ圏にとって明確なプラス材料とみる。結果は51.6と予想を上回り、拡大を示す50を十分に上回った。これにより、夏場に向けて工業セクターのモメンタムが堅調であることが示された。
この強さを踏まえ、ユーロ・ストックス50など欧州株価指数で強気ポジションを検討する。指数は年初来で約8%上昇しているが、今回のポジティブ・サプライズが直近のレジスタンス突破の材料になり得る。上昇局面を狙い、7月・8月満期のコールオプションの買いを選好する。
本データはユーロの追い風にもなり得るため、EUR/USDの上昇を想定してポジションを構築する。欧州中央銀行(ECB)は、コアインフレ率が2.4%で推移する中、こうした堅調な活動を利下げ先送りの根拠として捉える可能性が高い。米国との金融政策の方向性の違いが意識されれば、年初にみられた1.10近辺へ押し戻す展開も考えられる。
債券市場では、これを背景に国債利回りの上昇を見込む。そのため、ECBの緩和時期見直しを受けた再プライシングをにらみ、独国債(ブンズ)先物のショートを検討する。過去を振り返ると、2024年に成長が予想を上回った局面では、10年物ブンズ利回りが数週間で30bp超上昇した例がある。
ボラティリティと追加機会
今回のニュースはポジティブだが、VSTOXX指数で測られる欧州のボラティリティ動向も注視している。強い指標を受けた初期反応として短期的にボラティリティが跳ねる可能性がある。こうした局面は、景気の安定が最終的に市場の落ち着きをもたらすとの見立ての下、第3四半期限のVSTOXX先物を売る機会になり得る。
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