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原油安と金利差拡大を受け、EUR/USDは1.1650近辺で推移 ECBの利下げ観測に注目

by VT Markets
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Jun 1, 2026

EUR/USDは、原油価格の急落を受けて週末にかけて1.1650近辺で取引を終えた。米金利は低下し、10年米国債利回りは4.43%と、5月中旬のピークから20bp超低い水準にある。ただし、ユーロ圏金利も同様に低下したため、EUR/USDのFXスワップへの影響は限定的だった。

ユーロ圏の5月速報インフレは、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン(合計で全体の約75%)からの統計が示すところ、主としてエネルギー要因によるヘッドラインの上振れを示唆した。フランス、イタリア、スペインは概ね予想どおりだった一方、ドイツの地域CPIは下振れサプライズとなった。今後の発表予定としては、4月失業率(市場予想6.2%でコンセンサス一致)、5月製造業PMI確報(速報値51.4の確認が見込まれる)がある。その後、市場の注目は火曜日のユーロ圏HICP速報へと移り、米国では金曜日の雇用統計を前に、週を通じて労働市場関連指標が続く。

金利見通しとEUR/USDのレンジ

EUR/USDが現在1.0850近辺で推移する中、主要なドライバーは金利見通しの変化である。米10年国債利回りは足元で4.50%近辺へ低下しているが、欧州の国債利回りも同様の動きとなっており、当面は比較的タイトなレンジにとどまっている。

ユーロ圏の5月速報インフレは2.6%と、市場予想をやや上回り、4月の2.4%から加速した。ただし、ECB(欧州中央銀行)の政策運営シナリオを変えるほど警戒すべき内容ではない。市場は今週のECB理事会での利下げ確率を90%超と織り込んでおり、実現すれば2019年以来の利下げとなる。

政策の乖離、ボラティリティ、ECB緩和見通し

今週の焦点は、ECBと米連邦準備制度理事会(FRB)の政策スタンスの乖離にある。注目は金曜の米雇用統計で、市場コンセンサスは5月の非農業部門雇用者数が約18万人増と、堅調だが突出しない増加を見込む。この程度の数字であれば、FRBが利下げを急ぐ必要がないとの見方を補強し、欧州とは対照的となる。

こうした環境を踏まえると、今後のイベントに対してEUR/USDのインプライド・ボラティリティは低すぎるとみる。1カ月物ボラティリティは5.5%近辺で推移しているが、中央銀行イベント後の変動可能性を過小評価している水準に見える。相場の下放れに備えるポジションとして、短期のプットオプション購入を検討すべきだろう。

WTI原油価格が1バレル80ドルを下回る水準まで下落したことも、ECBがよりハト派的になるとの見立てを後押しする。エネルギーコストの低下は、エネルギー依存度の高いユーロ圏の今後のインフレ指標を抑制しやすい。これによりECBは緩和サイクル開始の正当性を一段と得ることになり、中期的にはユーロの重しとなり得る。

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