USD/JPYは週初から底堅く推移し、アジア時間にかけて159.50近辺まで反発。先週木曜日に付けた4週間高値が再び視野に入った。日本の1-3月期の法人企業統計(設備投資)は横ばいにとどまり、市場予想を下回ったうえ、2025年10-12月期の前年比+6.5%から大きく減速した。国内指標の弱さに加え、中東情勢を巡る懸念や、ホルムズ海峡を通じたエネルギー供給の混乱が続いていることを受けて円は上値が重く、米ドルへの需要も改善した。
地政学リスクの高まりと米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派姿勢観測を背景に、米ドル指数(DXY)は上昇し、金曜日に付けた2週間ぶり低水準からの回復局面を拡大した。イスラエル国防軍(IDF)はレバノンでの地上作戦を拡大し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はヒズボラとの戦闘をさらに押し進めるよう部隊に命じたと表明。米国とイランの対立も継続している。イラン当局者は合意はまだ成立しておらず、提案はパキスタンなど地域の仲介国を通じて協議が進められているとし、争点はイランの核開発計画とホルムズ海峡に集中していると述べた。原油は金曜日に付けた1カ月超ぶり安値から小幅に反発し、インフレ懸念を強めた。日本の為替介入観測は円売りの加速を抑える可能性がある一方、市場の関心はきょう発表のISM製造業景況指数(PMI)など米経済指標に移りつつある。
USD/JPY Bullish Drivers and Macroeconomic Backdrop
2026年6月1日時点の環境を踏まえると、USD/JPYが今後数週間で上昇基調を強める余地は大きいとみる。弱い円と底堅い米ドルの組み合わせが、強気の戦略に追い風となる。日本発の低調な経済指標と、米ドルを選好しやすい地政学的緊張がこの見方を支える。
日本経済は減速の兆候を示している。財務省が公表した最新の法人企業統計で、2026年1-3月期の設備投資が横ばいとなったことが確認され、前期の+6.5%成長からの大幅な低下は国内投資の弱含みを示唆する。世界の原油消費のおよそ2割が通過するとされるホルムズ海峡を巡る供給懸念が続けば、エネルギー輸入依存度の高い日本経済には一段の重荷となる。
USD/JPY上昇の主因は、引き続き日米金利差の大きさにある。米10年国債利回りが概ね4.5%程度で底堅い一方、日本国債利回りは1.0%未満にとどまり、ドル選好のインセンティブが大きい。この格差は短期的に縮小しにくいとみられる。ブレント原油が1バレル=85ドル超へ戻す中で、米国のインフレ懸念が意識され、FRBのタカ派姿勢を下支えしているためだ。
地政学リスクも、安全資産としての米ドル需要を押し上げている。レバノン情勢の緊迫化と、イランとの対立が解消されない状況が市場心理を不安定にし、不確実性がドル需要を補強してUSD/JPY相場の支えとなっている。
Risks of Intervention and Recommended Strategy
もっとも、相場が160.00水準に接近する局面では警戒が必要だ。日本当局は過去に通貨防衛のため介入を実施しており、2022年や、直近では2024年春に155を上回った局面でも介入が意識された。財務省による公式の円買い・ドル売りが入れば、急激で突発的な反転を招き、上値を抑える可能性がある。
以上を踏まえると、USD/JPYのコールオプションを買う戦略が最も妥当と考える。160〜162レンジへの上昇余地を取り込みつつ、下振れリスクを厳格に限定できるためだ。オプション戦略であれば、日本当局が不意に介入に踏み切った場合でも、大きな損失を回避しやすい。
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