オーストラリアのTD-MIインフレ・ゲージは5月にマイナス圏へ転じ、前月の前月比+0.6%から同-0.3%へ低下した。この結果は、当月の物価上昇圧力が弱まったことを示唆する。
同ゲージの反転は、足元のインフレ・モメンタムに対する見通しに影響を与えうる。4月は比較的強い伸びだったものの、5月の低下は消費者物価の月次プロファイルが軟化していることを示している。
物価圧力の沈静化と市場への含意
5月のTD-MIインフレ・ゲージが予想外に前月比-0.3%へ低下したことは、物価圧力の沈静化を示す重要なシグナルとみる。このデータにより、豪準備銀行(RBA)による追加利上げの可能性は大きく低下した。市場は初回利下げの時期を、より真剣に織り込み始めると考える。
今後数週間、豪国債利回りには低下圧力がかかると予想する。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場もすでに変化しており、2026年12月までにRBAが利下げする確率を45%と織り込む水準まで上昇した。これは先週の15%から急伸したものだ。こうした状況を踏まえ、3年・10年の国債先物でロングポジションを積み増す方針である。
金利見通しの変化は豪ドル安要因となる。0.6620近辺で推移してきたAUD/USDは、米ドルに対する金利優位性が縮小するにつれ下落に脆弱となる。想定される値動きに備え、権利行使価格0.6550近辺のAUD/USDプット・オプションの購入を検討している。
株式への影響と公式CPI見通し
株式市場では、金利低下観測はとりわけ金利感応度の高いセクターにとって追い風となる。ASX200は下支えされ、上昇トレンドが形成される可能性があるとみる。このセンチメントを取り込むべく、指数コール・オプションやASX200先物のロングを検討している。
もっとも、今回の指標は民間調査の一つに過ぎず、慎重さも必要だ。豪統計局(ABS)が公表した直近の四半期CPIは、前年比+3.6%とインフレがなお根強いことを示していた。RBAがスタンスを変更するには、今後公表される月次CPI指標など公式統計で、同様の沈静化が確認される必要がある。
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