フィラデルフィア連銀の6月製造業景況調査は10.3となり、市場予想(10)をわずかに上回った。前月比で同地域の工場活動が拡大基調を維持していることを示す内容だ。
本指標は、現況とセンチメントを測るうえで注目度の高い2つの参照点(ヘッドライン指数と市場コンセンサス)を提供する。10.3という結果はプラス圏を維持しており、予想の10を小幅に上回ったことで、6月は見込みよりも若干堅調な着地となった。
FRBの政策見通しと債券(金利)ポジショニングへの示唆
フィラデルフィア地区の製造業指標が予想を上回ったことで、米景気の底堅さを示すとの当社見方が補強された。先週公表された5月CPIではコアインフレ率が3.1%と粘着的で、早期利下げが起こりにくい状況が示唆された。今回の結果も、FRBの「高金利を長期化(higher for longer)」というスタンスを裏付ける材料の一つと位置づける。
当社は金利デリバティブのポジションを調整しており、具体的には9月限SOFR先物のコールを売却している。市場は第3四半期末までの利下げ確率を約50%と織り込んでいたが、今回のデータによりその確率は40%近辺へ低下し得る。これは、今夏のFRBの政策変更(利下げ)可能性が後退したことを反映した調整である。
データを踏まえた株式市場とボラティリティ戦略
S&P 500のような株価指数にとって、こうした堅調な経済指標は短期的な上値余地を抑える可能性がある。市場はこの強さを「FRBが緩和を先送りする理由」と解釈し、株式の重し(ヘッドウインド)になり得る。したがって、レンジ相場を想定し、SPXのアウト・オブ・ザ・マネーのコールスプレッドを売る戦略を検討している。
インプライド・ボラティリティは低下しやすい。今回の報告は不確実性の一部を取り除く一方、大きなショック材料ではないためだ。歴史的にも、経済指標が概ね予想線で着地すると、景気急落や政策急転への警戒が後退し、VIX指数はじり安となりやすい。当社は、落ち着いた取引環境を見込み、7月限VIX先物の売り機会を探っている。
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