英ポンド/ユーロ相場、BOE据え置きで3週間ぶり高値 票割れがタカ派寄り姿勢を示唆

by VT Markets
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Jun 18, 2026

イングランド銀行(BoE)が政策を据え置いたことを受け、ポンド安を背景にユーロは対ポンドで上昇幅を拡大した。EUR/GBPは昨年6月の高値0.8655を上抜け、0.8670近辺の3週間ぶり高値圏で取引された。BoEは政策金利(バンクレート)を3.75%に据え置き、採決は7対2。スワティ・ディングラ委員とヒュー・ピル委員は25bp(0.25%)の利上げを支持した。議事要旨では、5月にインフレ圧力が緩和したことに加え、今年のインフレ見通しが下方修正されたことが示された。一方で、エネルギー価格の変動性に言及しつつ、基調的な成長見通しは4月時点から引き上げられた。

英国の労働市場統計は国内環境に関する追加材料となった。失業率は4月までの3カ月で5.0%から4.9%へ小幅に低下し、横ばい予想に反した。雇用者数は10万人増と、前回の14.8万人増から減速したものの、市場予想(8万人増)を上回った。賃金の伸びは底堅く、ボーナスを除く平均賃金は3.4%と予想の3.2%を上回って横ばい圏を維持。ボーナスを含む賃金も前年比4.4%で変わらなかった。ユーロ圏では、独IFOがインフレ率を今年2.9%、2027年2.7%と予測。成長率は今年0.8%、2027年0.8%と見込み、従来の1.2%から下方修正した。

金融政策の乖離と為替への影響

イングランド銀行(BoE)が今週木曜に政策金利を決定するのを前に、ユーロが対ポンドで加速する動きを注視している。直近の英国の5月インフレ率は2.1%と目標をやや上回っており、市場は政策シグナルに敏感だ。市場のコンセンサスは据え置きだが、その場合でも、将来の利下げ時期を巡る解釈が焦点になり得る。

BoEを取り巻く環境は、粘着的な賃金上昇によって複雑化している。直近データでは賃金上昇率はなお5.7%近辺で推移している。失業率は4.4%へ上昇したものの(注:ここでは最新の記載値)、インフレ上の主要な懸念はこの賃金圧力の持続にある。こうした不確実性は、GBP関連通貨ペアのオプション市場でのボラティリティ上昇(インプライド・ボラティリティの上昇)として現れやすい。

一方、欧州中央銀行(ECB)は今月上旬にすでに利下げを実施し、BoEに先行した。ただし、今後の追加措置に慎重なトーンを維持していることがユーロの下支えとなっている。他方で、ドイツなど主要国の成長見通しが低迷しており(今年のGDP成長率は1%未満の見込み)、ユーロの上値余地は抑えられやすい。

今後の発表を見据えた戦略的ポジショニング

こうした状況を踏まえると、EUR/GBPで短期のボラティリティを買う戦略に妙味があると考える。市場は、BoEの採決の割れ方がタカ派サプライズとなるリスク、あるいはフォワードガイダンスが想定以上にハト派となるリスクを過小評価している可能性がある。木曜の発表後に上下いずれかへ大きく振れる局面を捉える手段として、シンプルなストラングルやストラドルといったオプション戦略が有効になり得る。

歴史的にみても、金融政策の方向性の乖離はこの通貨ペアの強力なドライバーである。BoEが8月利下げへの明確な道筋を示し、ECBが据え置きを維持する場合、EUR/GBPが0.8450を上回った最近の動きは一段と勢いを増すと見込まれる。このため、今後数週間にわたる上昇トレンドの持続という可能性を念頭に、ポジショニングを構築している。

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