ラボバンク、ホルムズ海峡のエネルギーショックでユーロ圏の成長見通しに不透明感、ユーロ/ドルの反発は上値抑制と予想

by VT Markets
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Jun 18, 2026

ラボバンクのFXストラテジー報告書によれば、昨年のEUR/USD上昇は、広く指摘されてきたドル安に加え、ユーロが重要な押し上げ要因となった。動きの背景として、ドイツが「債務ブレーキ」の緩和に踏み切ったことを挙げ、欧州の成長期待が改善し、単一通貨を押し上げたとしている。

一方で同行は現在、ホルムズ海峡の封鎖に伴うインフレ効果が景気を圧迫し、欧州の見通しは鈍化すると予想。次回の見通し公表ではECBの成長見通しが下方修正されるリスクがあると指摘した。直近数カ月、ECB利上げ観測がユーロを下支えしてきた面はあるものの、ラボバンクは「その想定はすでに市場に織り込まれている」とする。EUR/USDについては短期的な反発余地を残しつつも、予想はコンセンサスを下回り、3カ月目標を1.16としている。

エネルギー価格ショックとユーロの強さの低下

当社は、欧州の成長見通しが悪化する中で、これまでのユーロ高の勢いが薄れているとみている。ホルムズ海峡での最近の事象によるインフレショックは、景気に大きな逆風をもたらしている。この圧力により、欧州中央銀行(ECB)は近く成長見通しを引き下げざるを得なくなる可能性が高い。

影響はすでにエネルギー市場に表れており、欧州の産業と家計に直接波及している。ブレント原油は直近四半期で15%超上昇し、足元は1バレル=95ドル近辺で推移。この動きが生産コストの上昇につながっている。最新データでは、ユーロ圏の生産者物価インフレ率が前月に1.1%上昇しており、企業マージンと家計消費を圧迫する流れが示唆される。

金融政策の乖離とEUR/USD見通し

景気減速を示唆するシグナルは、景況感指標にも表れている。先行指標として注目される独ZEW景況感指数は今月、予想外に低下して41.5となり、市場参加者が先行きの厳しさに備えていることを示す。これは、ECBの現行成長見通しが楽観的に過ぎ、下方修正が近いとの当社見方と整合的だ。

ECB利上げ観測がユーロを支えてきたものの、足元ではその多くがすでに市場に織り込まれている。これに対し米国では、非農業部門雇用者数(NFP)が26万5,000人増と強い雇用統計が再び確認され、米連邦準備制度理事会(FRB)には現行政策を維持する余地が広がっている。こうした金融政策の乖離は、EUR/USDに下押し圧力をかける公算が大きい。

この見通しを踏まえると、今後1四半期はユーロ安に備えたポジショニングに機会があるとみる。デリバティブ投資家は、当社の1.16予想に向けた下落局面を捉える手段として、2026年9月満期のEUR/USDプットオプションの購入を検討すべきだろう。この戦略は、想定される通貨ペアの下落から利益を狙いつつ、リスクを限定できる。

同様の構図は過去にも見られ、特に2022年の欧州エネルギー危機が典型例だ。インフレ急騰と深刻な景気後退懸念を背景に、EUR/USDは約20年ぶりにパリティ(1.00)を下回った。この前例は、深刻なエネルギーショックに直面すると、ユーロに対するセンチメントがいかに急速に悪化し得るかを示している。

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