日米円相場(USD/JPY)は日銀会合後もほぼ変わらずで推移し、市場の関心は次回の米連邦準備制度理事会(FRB)決定と、新たに就任するウォーシュ次期FRB議長に移りつつある。日銀は政策金利を1%に引き上げ、国債買入れ方針も修正した。具体的には、長期金利が急上昇した場合には買入れ増額もあり得るとのガイダンスを示した。一方、市場の織り込みはなお限定的で、金利先物が示唆するのは今後6カ月で追加15bp程度の引き締めにとどまる。
ラボバンクのフレームワークでは、日銀がより速い利上げ経路について明確なシグナルを発すれば円を下支えするとみる。同社のUSD/JPYに関する3カ月見通しは、年末までに追加引き締めのコミュニケーションが示されることを前提としており、その場合、この期間でUSD/JPYは低下しやすい。短期的には、FRBが当面政策据え置きと見込まれるなか、ウォーシュ氏のコミュニケーション運営や政策フレームワークに関する示唆が、通貨ペアの方向性を左右すると予想される。
市場ポジショニングと日銀見通し
先週の日銀会合後もUSD/JPYは高止まりしており、足元では159.50近辺で取引されている。日銀は政策金利を1%に引き上げたものの、焦点は新たなFRB指導部からのシグナルへと移行している。これにより、今後数週間で円相場が転機を迎える可能性がある。
市場のインプライド金利を見る限り、トレーダーは日銀による追加の積極的な引き締めに確信を持っていない。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)が織り込むのは、2026年末までに追加25bp利上げが1回行われる確率が約60%程度にすぎない。インフレが底堅さを保つなか、これは日銀の意思を過小評価していると当社はみる。
日本の5月コアインフレ率は2.9%となり、よりタカ派的な政策スタンスを正当化し得る流れが続いている。歴史的に、国内インフレがこれほど持続的な局面では、中銀は市場の当初想定よりも踏み込んだ対応に至ることが多い。ここに、市場のミスプライシング(織り込み不足)が生じており、投資機会になり得る。
円高に備える戦略
以上を踏まえると、今後3カ月で円高方向にポジションを取る余地がある。USD/JPYの下落で利益が見込めるオプション戦略、具体的には円コール(JPYコール)の購入やドルプット(USDプット)の購入を検討している。これらは、日銀が想定より早期の追加引き締めを示唆した場合に備えつつ、リスクを限定しながら収益機会を狙える手段となる。
米FF金利は4.75%と大幅に高い水準にあるが、新FRB議長がハト派的なシグナルを示せば、USD/JPYの下落が加速する可能性がある。過去2年間は大きな金利差が円安要因となってきたが、その潮目が変わりつつある局面かもしれない。市場の視線はFRBに向きがちだが、真のサプライズは東京からもたらされる可能性がある。
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