ドル市場、主要イベントリスクを前に一時的な休止局面へ
米国・イランの和平枠組み合意を受けて米ドルは軟化しており、市場は足元「一時的な休止局面」とみている。ドル指数(DXY)は99.50近辺の主要サポートを上回って推移しているが、トレーダーは強いポジションを取りにくい状況が鮮明だ。本格的な値動きは、今週の主要イベントリスク通過後に出やすいだろう。
焦点は6月18日(水)の米連邦準備制度理事会(FRB)会合に移っている。5月のCPIはコアインフレが依然として根強い3.8%を示し、直近の雇用統計でも雇用者数が21万人増と底堅かった。FRBが利下げを示唆する理由は乏しい。政策金利は据え置きつつもタカ派的な見通しを維持すると予想しており、ドルの下値を支える材料になり得る。
今週は大きなイベントが2つあることを踏まえると、インプライド・ボラティリティは低すぎるとみる。方向性を問わず大きな変動で利益が出るオプションを買い、ブレイクアウトに備える。例えばEUR/USDのロング・ストラドルは、FRB声明や金曜の最終和平合意署名のいずれかをきっかけとする値動きを取り込む手段として有効となり得る。
FRB会合と地政学リスクがオプション戦略の機会を生む
和平合意が円滑に署名されれば、WTI原油は一段安となり、紛争中に約98ドルまで上昇した後、80ドル台前半を試す可能性がある。過去(2010年代前半の緊張緩和局面など)には、中東情勢の沈静化はエネルギーコスト低下とドル安と相関してきた。このシナリオでは、DXYのプット買いが選択肢となり、50日移動平均線の98.88付近への下落をターゲットにできる。
一方、合意の頓挫を示唆する兆候、またはFRBが一段とタカ派的な声明を出す場合、ドルはレジスタンスを上抜けて急伸しやすい。DXYでは100.50が重要な監視ラインだ。地政学リスク再燃によるリスク回避(質への逃避)に備え、DXYコール・オプションを買う構えで臨む。
現局面ではリスク管理が最重要となる。新規に方向性取引を行う場合、オプションでリスクを限定することを推奨する。例えば、すでにドルショートの投資家は、水曜日のFRBがタカ派サプライズとなるリスクに備え、安価なアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のコールを買ってヘッジを検討すべきだ。
米ドルは月曜日、主要通貨に対して下落した。米国とイランがホルムズ海峡の再開につながる和平枠組み合意に達し、安全資産としてのポジションが巻き戻されたためだ。ドル指数(DXY)は99.57近辺で取引され、1週間ぶり安値の99.38近辺を付けた。ただし、最終合意が金曜日に署名される見通しであることから慎重姿勢が強く、下げは抑制された。市場の注目は水曜日のFRB決定にも向かっており、政策金利は据え置きが広く見込まれている。
市場は、FRBがタカ派姿勢を維持すれば、ドルが下支えされるとみている。紛争前は年内少なくとも2回の利下げが織り込まれていたが、エネルギーコスト上昇によりインフレ期待が押し上げられ、年末までの利上げの可能性を見込むポジションも一部で生じた。原油がさらに下落すればそのシフトは和らぐ可能性があるものの、インフレ率が2%目標に近づくまでは利下げは起こりにくい。テクニカル面では、DXYは50日・100日・200日移動平均線(SMA)を上回っており、サポートは99.50、次いで98.88、さらに98.70近辺。レジスタンスは100.50付近。RSIは50台半ばで、MACDはシグナルライン接近が示唆されている。
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