金相場は16日、米国とイランが紛争終結で合意したことを受けて3%超上昇した。XAU/USDはこの日の安値4,218ドルを付けた後、4,351ドルまで上伸。リスク選好の改善で米株が小幅高となる一方、米ドル指数(DXY)は0.23%安の99.57まで低下し、金相場を下支えした。合意はホルムズ海峡の再開に道を開くほか、テヘランの核開発計画を巡る60日間の交渉開始を定める内容で、協議で合意される枠組みの下、イランが国内で高濃縮ウランを希釈する計画も含まれるという。通信社報道によれば、金曜日にスイスで覚書(MOU)が署名される見通し。
原油は急落し、WTIは4.46%安の1バレル80.51ドル。米国の消費者・生産者物価指標が連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を上回って推移する中、原油安はインフレ懸念を和らげた。FRBは水曜日に金融政策を決定する。ケビン・ウォーシュ新議長の下で初の会合となり、市場はバランスシート(資産保有)に関するメッセージや金利見通しにも注目している。米鉱工業生産は5月に前月比0.1%増となり、4月の0.9%増から鈍化。一方、4月は0.7%増から0.9%増へ上方改定された。テクニカル面では、上値目標として4,400ドル、200日移動平均線(SMA)の4,454ドル、50日SMAの4,580ドルが挙げられる。下値支持は4,300ドル、4,250ドル、4,200ドル、4,023ドル。中央銀行は2022年に約700億ドル相当の金1,136トンを積み増した。
原油・金と米国—イランの地政学的打開
米国—イラン合意という打開を踏まえると、今後数週間の市場を主導する力は原油価格の急落だとみる。原油では、先物を用いたショートポジションの構築、またはプットオプションの購入を検討したい。過去をみても、こうした地政学的な「雪解け」は持続的な影響をもたらす。例えば2015年のイラン核合意に向けた動きは、前後1年で原油価格が50%超下落する一因となった。
原油急落は米ドルを押し下げ、インフレ懸念も後退させるため、金にとって追い風が同時に吹く格好となる。金の上昇はなお続くと考えており、4,454ドル水準を目標にコールオプションの活用を検討している。この見方は需給面からも支えられる。世界金協会(WGC)の2026年1—3月期データによれば、中央銀行は積極的な買いを継続し、準備資産を純増290トン積み増した。
FRB会合を前にしたポジショニングと株式市場の見通し
今週水曜日のFRB会合が重要イベントとなる。ケビン・ウォーシュ新議長の下で初会合となるためだ。市場はハト派転換を織り込みつつあるものの、新体制の不確実性は大きく、ボラティリティを狙う戦略が有利と考える。VIX指数は足元で13近辺の低水準にあり、発表前の局面では、SPYのストラドルのように上下いずれの大きな値動きでも利益が見込めるオプションが割安とみられる。
エネルギーコスト低下は株式に追い風となる一方、この水準で市場全体を追いかけて上値を買うことには慎重だ。S&P500の予想PER(フォワードPER)は既に21倍を上回り、AI投資を巡る足元の楽観を相当程度織り込んでいる。広範な指数コールを買うよりも、デリバティブを用いて、エネルギー・輸送コスト低下の恩恵を受ける特定セクターに絞って投資したい。
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