AUD/USDは月曜日、米ドル安とリスク選好の改善を受けて0.7080近辺へ反発した。米・イランの暫定的な和平合意の報道を背景に、執筆時点で豪ドルは対米ドルで0.46%高の0.7078と、1週間ぶり高値で推移している。米国のドナルド・トランプ大統領は合意が署名されたと述べ、ホルムズ海峡が再開したことにも言及した。また、原油安と株高に触れたことで、米ドルの安全資産需要が後退した。
もっとも、豪ドル高は火曜日の豪準備銀行(RBA)理事会を前に上値が抑えられた。政策金利は4.35%に据え置かれる見通しだ。4時間足では、20期間SMA(0.7037)を上回って推移しており、直近のサポートは0.7072および0.7065。レジスタンスは0.7082~0.7089に集中し、100期間SMAの0.7110が上位の節目となる。RSIは60近辺で、過熱感は強くないものの、ポジティブなモメンタムを示している。
マクロ環境と地政学的要因
地政学リスクの後退が豪ドルを0.7100方向へ押し上げた局面は過去にもあった。ただし、現状は大きく異なり、AUD/USDは0.6650超での上昇を維持できずにいる。最大の逆風は米豪の金利差の拡大で、過去ほど顕著ではなかった要因だ。
中東情勢の沈静化がリスクオン通貨を押し上げた以前の局面と異なり、足元の市場の焦点は世界成長の鈍化にある。直近のデータでは、中国の鉱工業生産が前年比4.9%増にとどまり、予想を下回った。これが豪ドルのセンチメントに直撃している。最大の貿易相手国からの持続的な下押し圧力を踏まえると、大幅な上昇は見込みにくい。
また、RBAの立ち位置も変化している。国内景気減速への対応として数回の利下げが行われ、政策金利は3.85%にある。豪インフレ率は3.1%まで低下しており、追加緩和の余地があることが通貨の重しとなる。中央銀行がより高い水準で金利を据え置いていた過去の局面とは対照的だ。
政策の方向性の乖離と市場戦略の検討
一方、米ドルは底堅い。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに慎重な姿勢を示しているためだ。米コアインフレ率が3.4%と粘着的で、FRBは動きにくく、米国債利回りの妙味が維持されている。この政策スタンスの乖離が、豪ドルに対する米ドルの基調的な強さの主要因となっている。
こうした環境を踏まえると、レンジ相場での推移、あるいは一段安の局面で有利となる戦略が意識される。0.6720のレジスタンス近辺を行使価格とするアウト・オブ・ザ・マネーのコールオプションを売ることで、プレミアム収入を得る手法は有効となり得る。今後数週間にわたりAUD/USDがその上限を下回る場合に収益機会となる。
また、インプライド・ボラティリティは相対的に低水準で推移しており、動向を注視している。ボラティリティが落ち着いたままであれば、長期のプットオプション購入が急落局面に備えるコスト効率の良いヘッジとなり得る。これは、今後の米雇用統計など主要イベントを前にポジションを防衛する狙いがある。
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