金は、米国とイランが中東戦争終結に向けた枠組みで合意したことを受けて3%超上昇し、XAU/USDは約4,367ドルまで上伸。先週付けた約7カ月ぶりの安値4,023ドルからの反発局面を拡大した。金曜日にはスイスでMoU(覚書)が署名される見通し。リスク選好の改善で米ドルは下落し、WTIは約3カ月ぶりの安値水準まで下げて1バレル=79ドル近辺で取引されている。
紛争序盤には、原油高がインフレ懸念を強め、FRBなど主要中銀がタカ派姿勢を維持するとの見方を促したことで、金はむしろ金利感応度の高い資産として動いた。戦争期間中、金はFRBが年内に追加利上げに踏み切る可能性を市場が織り込むなかで約20%下落したが、エネルギー価格の沈静化を受け、トレーダーは水曜のFOMCを前に利上げ見通しを後退させている。政策金利は据え置きが広く予想される一方、インフレ率はFRB目標の2%を大きく上回る状態が続く。テクニカル面では、XAU/USDは20日SMA(約4,415ドル)を下回り、RSIは45近辺。上値抵抗は4,682ドル、下値支持は4,149ドル、その下は4,000ドルが意識される。
Geopolitical Risk Premium and Volatility Reaction
米・イランの突発的な和平枠組みを受け、市場から典型的な地政学的リスク・プレミアムが剥落しつつある。CBOE原油ボラティリティ指数(OVX)は直近高値の45近辺から30へ急低下し、市場の安堵感を映している。当面は、価格とボラティリティの急低下を取り込む狙いから、WTIのアウト・オブ・ザ・マネーのコールを売る戦略を検討する。
金については慎重に強気姿勢を維持するものの、上値にはテクニカルな抵抗が控え、合意が最終確定する不透明感も残る点を認識している。金オプションのインプライド・ボラティリティは25%超から18%程度へ低下しており、ロング・オプションは割安になった一方、市場の恐怖感の後退も示唆する。水曜のFOMCを前にリスクを限定しつつ、XAU/USDで強気のコール・スプレッドを構築し、4,500ドル方向の上昇を狙う。
Market Repricing and Upcoming Fed Catalyst
市場はFRB見通しを急速に再評価しており、FF金利先物が示す年内利上げ確率は30%(先週)から足元では5%未満へ低下した。これが米ドル指数(DXY)の重しとなり、DXYは104のサポート水準を明確に下抜けている。ユーロおよび日本円に対して、さらなるドル安に備えるポジションを構築している。
1991年の第一次湾岸戦争終結後に原油価格が急落したといった歴史的前例も想起される。ただし、覚書がまだ正式に署名されていない以上、一定の警戒は不可欠だ。このため、先物を直接ショートして損失無限大のリスクを負うのではなく、リスク限定型のオプション戦略を用いる。
次の主要材料は水曜のFOMC声明である。最新CPIが前年比4.1%上昇を示すなか、インフレに関してケビン・ウォーシュ議長のトーンに変化があるかを注視する。エネルギー価格下落によるディスインフレ圧力への言及があれば、貴金属と株式にもう一段の上昇余地をもたらす可能性がある。
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