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米・イラン合意でリスク選好強まる、ドルの安全資産需要後退でスイスフラン上昇

by VT Markets
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Jun 15, 2026

米ドルは、米国とイランの和平合意を受けて「安全資産」としてのドル需要が後退したことから、スイスフランに対して下落した。USD/CHFは0.7923近辺で推移し、日中では0.60%安。4カ月に及んだ紛争が終結に向かうとの見方からリスク選好が改善し、金曜日には正式な署名式が予定されている。60日間の覚書(MOU)では、米国がイラン港湾の封鎖を解除し、イランは商業船舶向けにホルムズ海峡を再開する。一方で、核開発計画、制裁緩和、凍結資産の解放を巡る協議は継続される。

米ドルと原油は弱含みのギャップダウンで取引を開始し、ドル指数(DXY)は99.46近辺と約1週間ぶりの低水準で推移した。トレーダーはFRB(米連邦準備制度理事会)の政策見通しも再評価しており、原油安により年後半の利上げ観測が後退。水曜日に政策決定を控えるなか、市場では金利据え置きが広く見込まれている。米国のインフレ率は5月に4.2%へ上昇し、目標の2%を大きく上回った。一方、スイスのインフレ率はスイス国立銀行(SNB)の目標レンジである0%〜2%の下限近辺にとどまった。SNBは木曜日に政策金利を0%で据え置く公算が大きい。ロイター調査では、回答したエコノミスト28人全員が年内の据え置きを見込み、2027年に0.25%の利上げを1〜2回と予想する回答は4人だった。

政策スタンスの乖離で米ドルに下押し圧力

米国とイランの和平合意により、世界的な不確実性の主要因が取り除かれたことで、今後数週間にわたり米ドルは上値の重い展開が続くと見込む。ハト派化し得るFRBと中立的なSNBという政策スタンスの乖離は、フランに強く追い風となる。USD/CHFは0.7920近辺の安値を試しており、これは2023年後半の急落局面以来の水準だ。

最大の要因は原油価格の急落で、WTI原油先物は紛争中に95ドルを上回っていたが、足元では一時10%超下落して1バレル82ドル近辺まで低下した。エネルギーコストの急低下は今後のインフレ指標を押し下げ、FRBがタカ派姿勢を維持する必要性を弱める可能性が高い。これがドルの重しとなり、リスク資産の支援材料になるとみる。

市場機会とボラティリティ見通し

こうした環境下では、USD/CHFの続落から利益獲得を狙うオプション戦略に注目している。権利行使価格0.7900前後の8月限プットオプションの買いは、ペアが下落トレンドをたどる局面でリスク・リワードが良好となり得る。木曜日のSNB会合は「無風通過」が想定され、フランに対する短期的な上昇(=フラン安)リスクが後退している。

また、今回の緊張緩和は市場ボラティリティを大きく押し下げ、VIX指数は戦時の高水準である25超から、わずか数セッションで15割れへ低下した。地政学リスクが市場から織り落とされるにつれ、ボラティリティは一段と縮小するとみる。これにより、主要株価指数でアイアン・コンドルなどを用いてプレミアムを売る戦略が、向こう数週間で魅力的になり得る。

最大の注目イベントは水曜日のFRB声明で、夏場の相場トーンを左右する。金利据え置きは確実視される一方、原油安がもたらすディスインフレ効果への言及を織り込むポジション構築が進んでいる。将来インフレへの警戒が後退したことを示す文言が入れば、ドル安が加速する可能性がある。

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