米国・イランの覚書合意でブレント下落、ホルムズ海峡再開への期待が供給懸念を和らげ利下げ観測も後退

by VT Markets
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Jun 15, 2026

ブレント原油は、米国とイランのMoU(覚書)がホルムズ海峡の再開期待を高めたことを受けて急落した。先物は夜間に1バレル=82.7ドルまで下落し、4月の高値から35%安となった一方、戦前水準は上回っている。この動きは、米欧双方で中銀の利上げ観測が後退したことに伴う国債利回り曲線の緩やかなブル・スティープ化とも重なった。

チャート上では、82~81ドルがサポートとして意識され、さらに78ドル、75ドルに下値の節目がある。200日移動平均線は78ドル近辺に位置する。ソシエテ・ジェネラルは、2026年末のブレントを1バレル=80ドルとする見通しを維持。6月末までにホルムズ海峡が再開する確率を35%とし、2027年1月までに石油フローが正常化するとのシナリオに基づくとしている。

米・イランの進展に対する市場反応

直近の米国・イラン協議のブレークスルーは、原油市場に対する見方を根本的に変えつつある。ホルムズ海峡を通じた原油フロー正常化の見通しに反応し、ブレントは1バレル=83ドル前後まで急落した。4月高値から35%下落したことは、市場センチメントの明確な転換を示している。

世界供給の増加余地を市場が織り込むにつれ、下押し圧力は続くとみる。今後数カ月でイランは日量最大100万バレルを市場に追加する可能性があり、足元のOPECプラスによる減産努力に対して無視できない規模となる。こうした背景から、プットオプションの購入といった戦略を検討し、さらなる価格下落局面に備える。

テクニカル水準と戦略見通し

当面は、売買判断の指針となる主要テクニカル水準に注目する。まず82~81ドルが第一のサポートだが、より重要な下値の防衛線は78ドル近辺の200日移動平均線とみる。ここを明確に下抜ければ、次の目標である75ドル方向へ下げが加速する可能性が高い。

このシナリオには過去の先例があり、見立てを補強する。2015年のイラン核合意の初期局面では、制裁下の供給が戻るとの思惑から、ブレントは数カ月にわたり下落基調をたどった。今回の新たな覚書の詳細が固まり、実行に移される過程でも、同様のリプライシング(価格再評価)局面が展開すると見込む。

ボラティリティが高止まりするなか、弱気見通しをオプションで表現することに妙味がある。満期1~2カ月程度のプットを購入する戦略は、想定損失を限定しつつ、下落局面の収益機会を狙える。これにより、78ドルおよび75ドルへの下げをターゲットとしつつ、上振れショックへの耐性を確保できる。

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