USD/JPYは週明け月曜のアジア取引で160.20近辺でほぼ横ばい。米国とイランが戦争終結、米国による封鎖解除、ホルムズ海峡再開に向けた枠組みで合意したとの報道を受け、ドルが円に対して弱含んだ。欧州各国も制裁緩和の可能性を示唆し、英国、フランス、ドイツ、イタリアは、イランの核開発計画を巡る措置に応じて対イラン措置の解除に備える姿勢を示した。ただ、市場では、ドナルド・トランプ大統領が最終的な核合意に至らない場合はテヘランへの軍事攻撃を再開すると述べたことから、警戒感が残った。
焦点は中銀会合に移る。米連邦準備制度理事会(FRB)は水曜の6月会合で政策金利を据え置く公算が大きい一方、新議長のケビン・ウォーシュ氏が金融政策をどう運営するかにも注目が集まる。日本では、日本銀行が政策金利を1995年以来の高水準へ引き上げるとの見方が優勢で、火曜の1.0%への利上げはほぼ織り込み済み。ロイターの調査では、市場関係者は第4四半期に1.25%までの引き上げを想定しており、その後の利上げの時期とペースへの関心が高まっている。
政策見通しと市場ポジショニング
USD/JPYは160.20近辺で推移しており、歴史的に高い水準にあることから、行き過ぎ感が示唆される。今週の主要イベントは、あすの日本銀行会合と水曜のFRB決定である。足元の静かな値動きは、これら主要リスクイベントを前にした一時的なものとなる可能性が高い。
日銀の1.0%への利上げは概ね織り込まれているため、焦点は先行きガイダンスに移る。1.25%への到達ペースが加速するシグナルが出れば、大きな値動きにつながり得る。特に、投機筋は2024年以降、円に対して過去最高水準のショート(売り持ち)を抱えており、急反転が起きればショートカバーが一気に進み、円高を加速させる可能性がある。
USD/JPYへの含意と取引戦略
一方、FRBは当面据え置きが見込まれ、政策の方向性の違いが鮮明となることで、円高(=USD/JPY下落)に追い風となる。日本側に有利な形で金利差が拡大することは、USD/JPYの下落を見込みやすいファンダメンタルズ要因である。新FRB議長の発言トーンにも注目し、ハト派的なシグナルが出ればドル安をさらに促す可能性がある。
こうした環境では、今後数週間の下落局面に備える戦略として、USD/JPYのプット(売る権利)オプションの買いが魅力的となる。中銀イベント前後に上昇しやすいJYVIX指数に示される通り、インプライド・ボラティリティは高水準で、オプション市場は相応の値動きを織り込んでいる。プット・スプレッドを用いれば、高いボラティリティに伴うコストを抑えつつ、リスクを限定できる。
米・イラン和平枠組みの報道は、ドル安シナリオを補強する材料でもある。地政学リスクの低下は、世界的な安全資産としてのドル需要を減らす傾向がある。合意は最終決着ではないものの、進展は米通貨にとって追い風になりにくい環境を示唆する。
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