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メキシコ・ペソは横ばい、バンシコがタカ派姿勢に転換 USMCA見直しの不透明感でボラティリティ上昇

by VT Markets
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Jun 12, 2026

メキシコは金融環境が引き締まる中でも底堅さを維持している。インフレ率は5月に3.94%へ鈍化し、再び4%を下回った。メキシコ中央銀行(Banxico)は緩和サイクルの終了を示唆しており、これを受けて市場では利上げ再開の可能性が織り込まれている。為替では、USD/MXNは17.50を下回る水準で上値を抑えられた一方、USD/BRLの上昇は5.20で勢いを失った。

貿易統計は引き続きこの見方を下支えしている。4月の対米輸出は507億ドルと過去最高を記録し、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)におけるメキシコの地位の強さを改めて示した。ただし、USMCAが今後どのように扱われるかについては不透明感が残る。米国は単純な更新よりも定期的な見直しを支持しているためだ。

マクロ経済の安定性と貿易面の強み

当社はメキシコ経済を基礎的に安定しているとみる一方、環境はより複雑化している。インフレ率が4%を下回ったことは好材料であり、対米輸出の過去最高更新は貿易ファンダメンタルズの強さを裏付ける。しかし足元では、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を巡る不確実性に注目している。

中銀であるBanxicoが利下げサイクルを終了した判断は、ペソにとって重要なシグナルだ。市場では利上げの可能性が織り込まれつつあり、当面は通貨価値を支える要因となる。このタカ派姿勢は、対外ショックに対するペソの緩衝材となる。

USMCAの不透明感と通貨変動リスク

当社が最大のリスクとして注視しているのは、USMCAの見直しであり、2026年7月1日に正式開始される予定だ。米通商代表部(USTR)から「単純な更新」より「定期的な見直し」を支持する旨の最近の発言を受け、USD/MXNオプションのインプライド・ボラティリティは過去1カ月で約12%から約16%近くまで上昇した。今後数週間、この不確実性が大きな価格変動をもたらすと見込む。

この見通しを踏まえ、当社は明確な方向性に賭けるのではなく、ボラティリティ上昇に備えるポジショニングを選好する。USD/MXNでオプション・ストラドルなどのデリバティブを買う戦略が最も妥当だと考える。これにより、好材料でペソ高が進む場合でも、政治的摩擦でペソ安が進む場合でも、大きな値動きから収益機会を得られる。

過去を振り返ると、2017~2018年のNAFTA再交渉局面ではペソが15%超変動したことがあり、貿易を巡る政治に対する感応度の高さが示された。現在、USD/MXNを17.50未満に抑えている足元の強さは脆弱にも映る。見直し日程が近づく中、このレンジ継続に賭けるポジションを保有することは、いまや高リスク戦略となっている。

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