ポンドは金曜日、英国の軟調な経済指標をこなしつつ、米国・イラン和平合意の可能性をめぐる楽観が上回ったことで、対米ドルで小幅に持ち直した。GBP/USDは木曜日に1.3300台前半の安値圏から反発し、1.3415近辺の200日SMAを試す展開となった。値動きは、ドナルド・トランプ米大統領が「今後数日」での合意の可能性に言及したことに支えられ、イラン当局者も合意が「これまでになく近い」と示唆した。
英国では、4月GDPが3月の+0.3%から反転し前月比0.1%減となった。鉱工業生産は市場予想の+0.1%に対し横ばい。一方、製造業生産は予想の-0.2%に反して+0.4%増となった。米国では木曜日のPPI(生産者物価指数)が前年比+6.5%へ加速し、3年半ぶりの高い伸びとなったが、コアPPIは予想の+5.4%に対し+4.9%で横ばいとなり、FRBの利上げ圧力を和らげた。焦点はこの後、歴史的低水準近辺での推移が見込まれるミシガン大学消費者態度指数に移る。
Drivers Behind Sterling’s Move and Dollar Weakness
ポンドは1.3415近辺の重要な200日移動平均線を試しているが、背景は英国経済の実力というよりもドル安が主因だ。この局面は上値追いのポジション構築の機会を提供する一方、慎重さが必要でもある。今後数週間は、オプションを用いてリスクを限定するアプローチが最も妥当だと考える。
直近の米雇用統計では、5月の非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想の18.0万人に対し15.0万人増にとどまり、生産者物価データが示唆するメッセージを補強した。FRBが利上げを検討する理由は乏しくなり、歴史的にはこれはドル安要因となる。2023年後半のFRBの政策転換局面で見られた動きにも近い。こうした状況は、ドルの「抵抗の少ない道」が下方向にあるという見方を支える。
英国側では、GDPの0.1%減は懸念材料だが、粘着的なインフレが相殺している。5月下旬公表の最新CPIは3.1%と、わずかに予想を上回り、イングランド銀行(BOE)が利下げを検討しにくい環境が続く。米国との政策スタンスの乖離は、GBP/USDの下値を支える要因となり続けるだろう。
Geopolitical Developments and Trading Strategy
米国・イラン合意の可能性をめぐる地政学的進展は、安全通貨としてのドル需要を大きく抑制している。こうしたリスクオンのセンチメントはVIX指数にも表れており、同指数は直近1週間で14を下回り、数カ月ぶりの低水準となった。合意が正式に発表されれば、ドルはもう一段の下落局面を迎えることが想定される。
このため、GBP/USDについては、足元のレジスタンスをやや上回る1.3450近辺を行使価格とする7月限コールオプションの買いを検討している。この戦略はブレイクアウト局面の上昇を取りに行きつつ、英国ファンダメンタルズの弱さが再び意識された場合でも、支払ったプレミアムが最大損失となるためリスクを限定できる。オプション市場のインプライド・ボラティリティが低い現状では、強気見通しを表現する手段として魅力的だ。
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