米国とイランの合意観測を巡る楽観ムードの再燃がユーロを下支えし、EUR/USDは1.1600近辺へと持ち直した。ホルムズ海峡の再開につながる合意となれば、エネルギー価格の上昇圧力が和らぐ可能性があり、単一通貨にとって逆風となってきた要因の緩和が意識されている。
欧州中央銀行(ECB)はエネルギーショックへの対応として初の利上げを実施したが、6月・7月の連続利上げを示唆するには至らず、環境が改善すれば政策を据え置く選択肢も残した。早ければ来月の追加利上げを織り込む見通しは50:50を下回り、EUR/USDは過去1年にわたり維持されてきた1.1400~1.1800のレンジ内での推移が引き続き想定されている。
—米・イラン合意観測とECB政策を背景としたユーロの下支え
米国とイランの合意の可能性を巡り、楽観論が再び広がっており、足元ではユーロの支援材料となっている。これを受けてEUR/USDは1.1600水準近辺まで戻してきた。市場は、過去1年の取引を規定してきた1.1400~1.1800の広いレンジに収れんしつつあるように見える。
ECBが将来の利上げに慎重な姿勢を示していることも、レンジ相場観を補強している。初回利上げ後、2026年5月のユーロ圏インフレ率は2.5%へと小幅に鈍化し、7月に追加利上げを急ぐ圧力は後退した。その結果、次回会合での利上げ確率は50%を下回っている。
安定の主因は、世界の日量原油供給のおよそ5分の1が通過するホルムズ海峡の再開につながり得る合意観測だ。合意が成立すれば、エネルギー輸入依存度の高い欧州経済に対するエネルギーショックが和らぎ、ユーロの下振れリスクを低減する。これにより、通貨は当面のチャネル内にとどまりやすいとの見方が支えられている。
—安定的なEUR/USD環境におけるボラティリティ戦略
今後数週間にかけては、EUR/USDでボラティリティを売る戦略が最も有効だと考える。1.1400~1.1800のレンジの外側にショート・ストライクを安全に配置したアイアン・コンドルは、時間の経過と低ボラティリティから収益機会を得やすい。これは、各種材料の進展を見極める局面で通貨ペアが安定推移することを前提とした戦略である。
この見方はオプション市場の価格付けとも整合的で、EUR/USDの1カ月インプライド・ボラティリティは6.0%と控えめな水準まで低下している。歴史的にみても、この水準は上下いずれかへの大きなブレイクアウトを市場が強く想定していないことを示す。地政学要因と中銀関連ニュースを市場が消化する過程で、プレミアム獲得に適した環境とみている。
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