EUR/GBPは金曜日のアジア時間に0.8630前後まで軟化し、英国とドイツの最新指標を受けて、直近2日間の上昇分の一部を吐き出した。英国の4月GDPは前月比0.1%減と、3月の0.3%増から反落し、市場予想(0.1%減)に一致した。サービス指数は3カ月平均ベースで0.8%と横ばいだった一方、鉱工業生産は前月比0.0%と横ばい、製造業生産は4月に前月比0.4%増となった。
金利面では、マネーマーケットは9月に英中銀(BoE)が少なくとも25bp利上げすることを織り込み、年末までに2回目の利上げが行われる可能性も高いと見ている。ユーロ圏では、ドイツの5月改定HICP(消費者物価指数)は前年比2.7%上昇し、前月比は0.1%低下した。欧州中央銀行(ECB)は木曜日、約3年ぶりに利上げを実施し、引き締め的な政策スタンスが2027年まで維持される可能性が高いとの見方を示した。
政策の乖離と市場の不確実性
弱含む英国景気とタカ派的な英中銀の姿勢という、明確な矛盾に注目している。4月の月次GDPが前月比0.1%縮小したことは、2023年半ばのような局面で見られた弱さのパターンを想起させ、市場が織り込む9月利上げは疑わしい。こうしたファンダメンタルズの不確実性が、EUR/GBPを0.8630近辺で神経質にさせている。
一方、ECBは数年ぶりの利上げに加え、2027年まで引き締めを維持するとの約束で、より明確なシグナルを示した。この強いコミットメントは、ドイツのインフレ率が目標を大きく上回る2.7%にとどまっていることもあり、ユーロに下値の支えを与える。景気が縮小する中で利上げ検討を迫られる英国とは対照的だ。
戦略的示唆と市場ポジショニング
この政策乖離を踏まえると、今後数週間はボラティリティが高まると予想する。相反するデータを市場が消化する過程で大きな値動きが出る可能性があるため、ストラドルなどEUR/GBPのオプション戦略を購入し、変動拡大を捉えたい。ペアの1カ月物インプライド・ボラティリティはすでに7.3%へ上昇しており、前四半期平均の6.5%から切り上がっている。ブレイクアウト接近を示唆する動きだ。
より明確な方向感を持つ向きには、ECBの明確な政策パスの方が、景気とインフレの板挟みにあるBoEの難しい舵取りよりも信認されやすいと考える。そのため、7月下旬から8月満期のEUR/GBPコールオプションを通じて、控えめなロングポジション構築を検討している。景気後退局面での利上げに対するBoEの意思が疑問視され、投資家がユーロを選好する局面で、ユーロ高の恩恵を狙う。
当面の焦点は、今後発表される英国のインフレ指標と雇用統計だ。直近の失業率は4.4%であり、重要な注目指標となる。失業率が一段と上昇すれば、マネーマーケットがBoE利上げ期待を急速に巻き戻し、EUR/GBPを押し上げる可能性が高い。
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