INGは、日銀が6月会合で25bpの利上げに踏み切ると予想している。背景として、底堅い成長、マイナスの実質金利、インフレ上振れリスクの継続を挙げた。5月のインフレ率は前年比1.4%だったが、政府介入と前年の食料品価格の高いベースの影響による面が大きい。一方、パイプライン(川上)段階の価格は3月以降上昇しており、円安も物価押し上げ圧力を強める見通しだ。4月会合では利上げ支持の反対票が3票あり、その後も別の2人の政策委員が追加の正常化に前向きな姿勢を示している。
同行は、潜在成長率近傍の成長と、2027年まで概ね2%近辺で推移するインフレ見通しを踏まえると、引き締め継続を可能にする条件が整うとみる。政策金利は2027年半ばまでに1.50%へ到達すると予測した。日銀は6月に国債買い入れの最新計画も示す見込みで、現状では来年3月まで四半期あたり2,000億円のペースで買い入れを減額している。ただ、市場機能の改善が確認されれば減額の一時停止もあり得る。来年4月以降に仮に停止しても、償還額が大きい状態が続くため保有残高は縮小基調を維持し、INGは10年国債利回りが2027年に3.0%へ上昇すると見込む。
高金利・円高に向けたポジショニング
今月後半の日銀会合で25bpの利上げが実施される公算が大きいことから、短期金利の上昇に備えたポジション構築が望ましい。6月上旬分の最新の東京都区部コアCPIは2.1%へ反発しており、政府補助の縮小に伴い基調的な物価押し上げ圧力が強まっていることを確認した。対応策の一つとして、政策金利の上昇局面で収益機会が得られるよう、金利スワップで変動金利を受けるポジションを取ることが考えられる。
利上げ観測は国内ファンダメンタルズの強さにも支えられている。直近の春闘は平均4.5%の賃上げで決着し、30年超で最高水準となった。この賃金上昇に加え、ドル円が165円台を上回る水準で推移する根強い円安が、明確なインフレ圧力を生んでいる。こうした状況は、円高の恩恵を受けるポジション構築、例えば円コールオプションの購入を促すシグナルとみる。
債券市場見通しとイールドカーブ戦略
債券市場については、10年国債利回りは急激な売りではなく、緩やかな上昇を想定する。中銀は政策金利を引き上げる一方で、市場安定を維持するため国債買い入れの縮小(テーパリング)は極めて慎重に進める可能性が高い。トレーダーは、今後数カ月で利回りが中程度に上昇することを見込みつつ、国債先物でショートを段階的に積み上げる戦略を検討し得る。
この政策ミックス(利上げは確り、国債買い入れ縮小は緩やか)は、イールドカーブのスティープ化戦略を示唆する。短期と長期の国債利回りのスプレッドが拡大する局面に備えるのが妥当と考える。具体的には、デリバティブを用いて「2年利回りが10年利回りより速いペースで上昇する」シナリオに賭ける形で実現できる。
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