カナダ銀行(BoC)は政策金利を2.25%に据え置き、これで5会合連続の現状維持となった。4月に導入した「利上げ・利下げ双方の選択肢(ツーウェイの政策オプショナリティ)」も維持した。声明では、米国による対カナダの新たな貿易制限が利下げを正当化し得る要因として挙げられた一方、エネルギー価格の高止まりが続けば政策金利の連続利上げを要する可能性も残るとした。ただし市場は、今後12カ月で合計50bpの利上げを織り込んでいる。
中銀は引き締めの緊急性が限定的であることを示唆した。景気は供給超過(エクセス・サプライ)が続く見通しであり、エネルギー価格上昇が他の消費者物価へ広範に波及している明確な証拠は限定的だという。こうした背景から、スワップカーブが示唆する金利経路は強気すぎる(過度にタカ派)と評され、金利見通しが下方に再評価されれば、USD/CADは2025年11月高値の1.4140に向けてじり高となる余地がある、との見立てが示された。
カナダ銀行の政策スタンスの乖離とマクロ環境
カナダ銀行による直近の利下げ(4.75%)は、米連邦準備制度理事会(FRB)からの政策スタンスの乖離を明確に示すシグナルだとみている。G7で最初に緩和サイクルに入った中銀として、同国の政策経路は米国とは異なるコースに乗った。こうした政策ギャップの拡大が、当面の為替市場を動かす主要因になる可能性が高い。
インフレ率が直近で2.7%と目標レンジ内に収まっていることを踏まえると、カナダ銀行が早々に方針転換を迫られているとは考えにくい。最新の四半期GDPは1.7%と鈍い伸びにとどまり、景気には明確に供給余力がある。これにより、BoCには金融緩和を継続する余地が大きい。
為替見通しと取引戦略
当社の見方では、スワップカーブは依然として将来のBoC政策金利パスを強めに織り込みすぎており、年内の追加利下げの可能性を十分に反映していない。米国が安定的な政策環境にある一方で、カナダがよりハト派方向へ修正されるにつれ、USD/CADがじり高となるリスクがあるとみる。直近の目標水準は、2025年後半の重要な高値である1.4140だ。
デリバティブ投資家には、USD/CADのコールオプションを通じて上昇局面に備えるポジショニングを提案する。この戦略は、目標水準に向けたじり高シナリオに参加しつつ、リスクを明確に限定できる。中銀政策の乖離が進む現局面は、今後数週間のリスク・リワード観点で魅力的なセットアップとなり得る。
今すぐ取引を始めましょう — VT Marketsのリアル口座を開設するにはこちらをクリックしてください。