ドイツ銀行は、英国の5月総合CPI(前年比)を3.01%と予想し、コアCPIは2.72%、サービスCPIは3.65%と見込む。より広い見通しとしては、CPIが今年平均3.1%となった後、2027年に2.6%へ鈍化し、2028年には2.3%に達すると予測する一方、リスクバランスは上振れ方向に傾いているとの見方を維持している。
想定される推移は、4月の低下後の反発を反映したものだ。サービス価格の巻き戻しが進む一方で、食品およびコア財を巡る圧力が持続すると見込まれる。さらにドイツ銀行は、7月に予定されるデュアル燃料(電気・ガス)料金のリセットが、新たな物価モメンタムの源泉になると指摘。原油・ガス先物カーブの下向き(バックワーデーション)を受けてCPIのピーク想定は引き下げたものの、価格調査データは同行モデルが示唆する以上に、川上(パイプライン)段階のインフレ圧力が強いことを示しているという。
英国インフレ見通し:反発、リスク、そして粘着性
英国のインフレは想定より粘着的になるとの見方に基づき、足元の3%割れは一時的だとみる。ONS(英国国家統計局)の4月CPIが2.8%へ低下したことを受けつつも、当行は5月に3.01%へ反発すると予測する。サービスおよび食品分野での物価上昇圧力が根強く、再び表面化する可能性が高いためだ。
先行きは、とりわけ7月に予定されるデュアル燃料のエネルギー料金リセットにより、これらの圧力が強まると予想する。これによりインフレは高止まりし、CPIは2026年の残り期間で概ね3.1%程度で推移すると見込む。2%目標への道筋は、多くが想定するより遅く、でこぼこしたものになるだろう。
金利リスクへのポジショニング:市場機会とヘッジ戦略
市場はこのリスクを過小評価しているように見える。SONIA先物は、イングランド銀行(BoE)の政策金利が足元の4.25%で年末まで据え置かれることを織り込んでいる。だが、よりタカ派的な反応を示す可能性は高まりつつあると考える。このギャップはデリバティブ・トレーダーにとって機会となり得る。
今後数週間は、英国金利見通しのリプライシングに備えたポジショニングが望ましい。12月限2026年のSONIA先物を売ることは、この見立てを直接表現する手段である。また、2年物金利スワップで固定金利払い(ペイ固定)を検討することもでき、市場が「高金利の長期化(higher for longer)」を織り込み始めれば収益機会となる。
分析は、リスクが「明確に上振れに偏っている」と強調しており、急激で予想外の変動に備えるためオプションの購入も検討すべきだとしている。固定金利払いの権利(義務ではない)を得るペイヤー・スワプションは、このエクスポージャーを得る有効な手段だ。市場の見通しが落ち着いている現状では、これらの商品のプレミアムは相対的に低いとされる。
同様のパターンは過去にも見られた。とりわけ2023年は、サービスインフレの粘着性によりBoEが当初の市場予想を大きく上回る利上げを余儀なくされた。現状の経済指標は、同様の展開が再現される可能性を示唆している。したがって、インフレと金利の双方で上振れサプライズに備えたポジションが必要だ。
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