AUD/USDは木曜日の欧州時間、米5月CPIが弱含みとなったことを受けて米ドルが軟化し、0.14%高の0.7007近辺まで上昇した。米ドル指数(DXY)は0.1%安の99.97前後。CPI総合(前月比)は0.5%となり予想通りで、前月の0.6%を下回った。一方、コアCPIは0.4%から0.2%へ減速した。対照的に、前年比の総合・コアはそれぞれ4.2%、2.9%へ加速し、ともに予想に一致した。
ドルを取り巻く全体環境は、米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め継続観測に引き続き支えられており、CME FedWatchでは年内に少なくとも1回利上げが行われる確率が約71%と示されている。豪州では、火曜日の豪準備銀行(RBA)理事会に注目が移り、政策金利は据え置きが見込まれている。テクニカル面では、20日指数平滑移動平均(EMA、0.7107)を下回った状態が続き、フィボナッチ50.0%戻し近辺の0.7057が上値抵抗として意識される。RSI(14日)は34近辺。下値支持は61.8%水準の0.7005、その後は0.6930、0.6836。上値抵抗は0.7057、0.7107~0.7110、0.7174が挙げられる。
米ドルの金融政策乖離とAUD/USD見通し
2026年6月11日という現時点を踏まえると、今後数週間にかけての主題は米ドルの基調的な強さだとみる。FRBの金利に対するタカ派姿勢は、RBAが据え置きと見込まれる状況と鮮明な政策の方向性の違い(政策乖離)を形成している。CME FedWatchツールは、FRBの7月会合での利上げ確率を85%と示しており、米ドル需要が続くとの見方を補強している。
デリバティブ取引の観点では、この見通しはAUD/USDの一段安に備えるポジショニングを示唆する。重要な0.7000のサポート水準を下回る行使価格のプットオプションを買う戦略は妥当だと考える。この手法はリスクを限定しつつ、0.6930目標に向けた下抜けの可能性から収益機会を狙える。
戦術的な取引戦略と裏付けデータ
別案として、インカム獲得を狙う投資家にはアウト・オブ・ザ・マネーのコール・スプレッドを売る戦略が有効となり得る。短いストライク(売り側行使価格)は、テクニカルの抵抗が集中する0.7110近辺に設定したい。この戦略は、弱気のモメンタムを踏まえ、相場がこの上値の壁を下回って推移するほど利益を得やすい。
この見方は、6月上旬に公表された一連の経済指標によって補強される。先週の米雇用統計では非農業部門雇用者数が21万5,000人増と堅調だった一方、豪州の最新の貿易収支は商品輸出の弱含みにより市場予想外の悪化(減少)を示した。これらは、米国経済の相対的な強さと、豪州経済の慎重さという構図を一段と印象づける。
過去を振り返ると、2014~2015年に見られたような金融政策の大幅な乖離局面では、主要通貨ペアで数カ月にわたる持続的なトレンドが形成されてきた。今回も同様のパターンが形成されつつある可能性があり、中期的にはAUD/USDの下落(豪ドル安・米ドル高)に分があると予想する。現状は、豪ドルを売る戦略が有効だった過去の環境と共通点が多い。
テクニカル指標もこのファンダメンタルズ観に整合的で、RSIは34近辺に位置する。これは強い下押し圧力を示しつつ、極端な売られ過ぎの領域には入っていないことを意味する。したがって、大きな自律反発が起きる前に、なお一段の下落余地が残っている可能性がある。
今すぐ取引を始めましょう — VT Marketsのリアル口座を開設するにはこちらをクリックしてください。