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米CPI後のドル安で豪ドル/米ドルは0.7000台を回復、ただし豪ドル上昇は不安定な様相

by VT Markets
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Jun 11, 2026

AUD/USDは木曜のアジア時間に2カ月ぶりの安値を付けた後、数pips反発して0.7000台を回復した。背景には、5月の米CPI発表後に米ドルが軟化したことがある。総合インフレ率は上昇した一方、コア指標は鈍化し、インフレ加速への警戒感がいくぶん和らいだ。

もっとも、米国の金利見通しは引き続き重しとなっている。市場は年末までにFRBが利上げする確率を70%程度織り込んでおり、中東情勢を巡るエネルギー価格懸念が見通しに影響している。ドナルド・トランプ大統領が「さらなる行動が続く」と述べた後、米軍はイラン各地の標的を攻撃。これに対しイランはホルムズ海峡の封鎖を表明し、「壊滅的かつ決定的な対応」を警告した。こうした展開は、すでに3カ月超に及ぶ戦争の長期化リスクを高め、原油相場を押し上げ、結果として米ドル(グリーンバック)を支える可能性がある。別途、豪準備銀行(RBA)の追加利上げ観測が後退していることも豪ドル需要を抑え得る。市場の関心は本日予定される米PPIに移る。

豪ドルの戻りはなお脆弱

豪ドルは直近の安値圏となる0.6580近辺から反発しているが、これは一時的な回復にとどまるとみている。マクロ環境を踏まえると、この上昇局面は強い裏付けを欠く。0.6650のレジスタンスに向けた上昇は懐疑的に見ておきたい。

米ドルは、足元の経済指標がFRBの政策運営を難しくしていることを材料に下支えされている。2026年5月のCPIはインフレ率が2.9%へ小幅鈍化したものの、なおFRB目標を大きく上回り、早期利下げ期待を後退させる。市場の織り込みでは、年末までに1回の利下げが実施される確率は40%程度にとどまり、数カ月前から大きく変化した。

内外の逆風は弱気戦略に追い風

同時に、貿易摩擦の再燃や、中国の工業需要の減速懸念がセンチメントを圧迫している。豪州の主要輸出品である鉄鉱石価格は、ここ最近で数カ月ぶりに1トン当たり100ドルを割り込み、豪ドルに直接的な下押し圧力となっている。世界的な不確実性の高まりは、相対的に安全資産とされる米ドルへ資金を向かわせている。

豪州国内ではインフレがなお課題で、最新の四半期統計では3.8%と高止まりが確認された。それでもRBAは、弱含む国内景気に追い打ちをかける追加利上げに消極的で、長期の据え置き局面に入っているように見える。依然タカ派色の残るFRBとの政策スタンスの乖離は、豪ドルの投資妙味を低下させる。

この環境下では、AUD/USDの上振れは戻り売りの好機と考える。デリバティブ取引では、権利行使価格0.6500を下回るプットオプションの購入が、今後数週間に想定される下落局面で収益機会となり得る。また、コストを抑えつつ下方向への値動きを狙う手段として、ベア・プット・スプレッドの構築にも妙味がある。

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