米ドル/円は水曜日に続伸し、当局による介入が意識されやすい160.00を再び上回った。もっとも、4月30日につけた年初来高値160.72は依然として下回っている。同日は日銀による市場介入を受け、通貨ペアは約500pips急落していた。
テクニカル面では、米ドル/円は4月30日の下げを28取引日で取り戻した一方、モメンタムは堅調で、RSI(相対力指数)は64と買われ過ぎ圏に接近している。上昇は総じて安定的だが、市場はこれまで160.72の高値更新には踏み込めておらず、次の節目として161.00が視野に入る。160.00を割り込む場合、下値メドは159.50、その次に6月3日安値の159.36が意識される。さらに下では50日単純移動平均線(SMA)の158.95、その後に100日SMAの157.82が控える。
160.00水準を巡る材料とリスク
米ドル/円は160.00をわずかに上回る水準でもみ合っている。ここは過去に日本当局の介入を誘発したゾーンでもある。主因は大きな金利差で、米金利が3.5%近辺で底堅く推移する一方、日本の政策金利は0.1%近辺にとどまる。このファンダメンタルズによる圧力は、当局の警戒発言があってもドル保有の妙味を高め、通貨ペアを押し上げ続けている。
強気のモメンタムを踏まえ、介入が発生した場合の下振れリスクを抑えるため、コールオプションを通じたロング構築を検討している。4月30日の約500pips急落の記憶が明確に心理的な重しとなり、160.72の高値に向けた積極的な上攻めを阻んでいる。こうした慎重姿勢は、上昇が急伸というよりも、じり高の「すり上げ」になりやすいことを示唆する。
介入警戒下でのポジショニングとボラティリティ戦略
ただし、再び突発的な介入が入るリスクは極めて高く、過小評価すべきではない。2022年後半の介入局面と同様に、当局は急激かつ短時間の反転を狙って行動する傾向があり、ヘッジのないロングは非常に危険となり得る。このため、50日移動平均線付近の158.95への急落に備え、プロテクティブ・プットの購入も検討している。
安定した上昇トレンドと迫る介入リスクの綱引きが、短期のインプライド・ボラティリティ上昇を招いている。この環境では、どちらの方向への大きな変動でも利益機会となり得るロング・ストラドルのようなボラティリティ戦略が有望だ。圧力が高まるなか、通貨ペアがこの狭いレンジにとどまり続ける可能性は低いとみている。
今後数週間は、6月18日の米インフレ指標の発表でサプライズがないか注視する。市場予想を上回るインフレとなれば年初来高値の再テストを迫る可能性がある一方、日銀関係者の新たな発言(タカ派的な示唆等)が出れば急速な調整を誘発しかねない。これらの重要イベントを軸にデリバティブ戦略のポジショニングを組むことが鍵となる。
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