カナダ銀行(BoC)は水曜日、政策金利を2.25%に据え置いた。市場の想定どおりと受け止められ、据え置きは5会合連続。発表はGMT13:45、続いてティフ・マックレム総裁の記者会見がGMT14:30に行われた。中銀は、中東戦争がヘッドラインインフレに与える短期的影響は「見通す(look through)」姿勢を示し、エネルギー価格上昇が幅広く波及している明確な証拠は限定的だと報告。一方で、エネルギーコストが持続的なインフレを生むことは容認しないと強調した。総合インフレ率は当面3%近辺で推移した後、2%目標へ向けて鈍化すると見込む。景気については、活動は弱いものの景気後退ではなく、経済は供給超過(需給ギャップはマイナス)の状態が続くなかで、第2四半期に成長が再開すると予想。不確実性として米国の通商政策が引き続き意識され、政府支出は「不変」と表現された。
インフレ指標では、4月まで1年間のヘッドラインCPIは前年比2.0%と、前回の2.2%から低下。コアインフレは2.1%に鈍化した。CPI-Common、Trimmed、Medianはそれぞれ2.5%、2.0%、2.1%。賃金上昇率は3.0〜3.5%とされ、市場は2026年末までに合計で35bp強の引き締めを織り込んでいた。為替ではUSD/CADが1.3900を試し、一時1.4000近辺で推移。上値の参照水準は1.3966、1.4140、下値は1.3813、1.3770、1.3949、1.3525、1.3504。RSIは68近辺、ADXは30をやや上回る水準だった。
金融政策スタンスとインフレ見通し
カナダ銀行は2.25%で明確に据え置き姿勢にあり、当方はこのスタンスが夏場を通じて継続するとみる。現行金利は、弱い景気と、目標近辺にある一方でなお懸念材料として残るインフレのバランスを取るうえで適切だとの判断である。これにより、短期金利デリバティブは向こう数週間、レンジ相場にとどまりやすい。
コアインフレは鈍化しているものの、今後さらに大きく低下する展開は見込みにくい。カナダ統計局は先週、5月のヘッドラインCPIが前年比2.1%へ小幅に上昇したと発表しており、ガソリン価格の反発が押し上げ要因となった。インフレが市場の織り込みより粘着的となるリスクに備える手段として、オプション活用に妙味があるとみる。
カナダドルの見通しと市場ボラティリティ戦略
発表後にみられたカナダドルの足元の強含みは、売りの好機と映る。米国ではFRBが主要政策金利を4.75%で据え置いており、米加の金利差が大きい状況が米ドル優位を継続させやすい。当方はUSD/CADが上昇基調に戻り、1.4000水準を再び目指すと予想する。
景気指標は強弱まちまちで、直近の5月雇用統計では約3万人の雇用増と、緩やかな増加が続いた。中銀のデータ重視姿勢を踏まえると、月次CPIや雇用統計など主要指標の発表前後でボラティリティが跳ねやすい。想定される値動きの荒さを取引する手段として、カナダドルでのストラドル/ストラングルが有効となり得る。
中銀の様子見姿勢を踏まえると、短期のCADオプションにおけるインプライド・ボラティリティは現在高過ぎると考える。米通商政策といった中長期リスクを監視しつつ、1カ月物ボラティリティを売る戦略は妥当だろう。過去には、2023年のようなBoCの複数会合にわたる停止局面では、明確な方向感の変化が現れるまでフロントエンドのボラティリティが抑制される傾向がある。
今すぐ取引を始めましょう — VT Marketsのリアル口座を開設するにはこちらをクリックしてください。