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米WTI、5日続落 米・イラン緊張も在庫取り崩し観測を相殺できず

by VT Markets
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Jun 10, 2026

原油相場は水曜日、5日続落した。WTI(西テキサス産油種)は1バレル=86.60ドルと、今週に入ってすでに4ドル超下落している。米国とイランの交戦が、もともと脆弱(ぜいじゃく)だった停戦に新たな緊張を加えたものの、原油相場を持続的に押し上げるには至らなかった。イランのイスラム革命防衛隊は、イラン南部にある防衛・レーダー関連システムへの米国の攻撃を受け、バーレーン、ヨルダン、クウェートの米軍基地を攻撃したと発表した。別途報道によれば、レバノン南部でのイスラエルの攻撃により6人が死亡した。

市場参加者は停戦違反の繰り返しを概ね織り込み、価格は1バレル=100ドルを大きく下回る水準にとどまっている。水曜日後半には、米エネルギー情報局(EIA)が週間の原油在庫統計(オイル・ストック・チェンジ)を公表する予定で、予想では7週連続の減少となる見通しだ。6月5日週は400万バレルの取り崩し(ドロー)が見込まれ、前週の約800万バレル減に続く。商業原油在庫は「2003年以来の低水準」とされており、この統計発表はWTIの短期的な下値(下方リスク)に影響を与えるとみられている。

地政学と市場ファンダメンタルズの乖離

足元の市場は地政学的な緊張の高まりを見過ごし、米国とイランの外交的解決への期待に焦点を当てているように見受けられる。このセンチメントが、価格下落と現物需給の引き締まりとの間に乖離を生んでいる。今後数週間、強気ポジションを構築する好機が生じていると考える。

供給逼迫の中で反発に備える

今回のEIA統計は400万バレルの取り崩しを確認し、米国の商業在庫を4億2,500万バレル近辺まで押し下げる見通しだ。これは季節要因を踏まえた同時期比較で2003年以来の低水準となる。直近データではOPECプラスの生産規律も高水準を維持しており、先月の順守率は100%超で堅調に推移した。こうした供給の引き締まりは、米国の夏季ガソリン需要が過去最高を更新し、日量950万バレルを上回るとの予測と正面からぶつかっている。

7月・8月に供給不足が見込まれることを踏まえ、当方はコールオプションの取得により反発局面に備える。具体的には、行使価格が90〜95ドルの8月限WTIを対象としている。足元の下落基調によりプレミアムが相対的に割安となっているため、上方向の値幅を取り込みつつリスクを限定できる。

この局面は、需給の引き締まりが景気後退懸念を最終的に上回り、価格が大きく上昇した2022年半ばの市場環境を想起させる。中東情勢への市場の現状の「慣れ(コンプラセンシー)」が、同様の力学を生みつつある。WTIの現在値86.60ドルは、需給の現実が価格を押し上げる前の魅力的な参入水準と見ている。

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