EUR/GBPは水曜日の欧州時間序盤、0.8625近辺で小動きとなった。市場は木曜日に予定される欧州中央銀行(ECB)の政策金利決定を前に様子見姿勢を強めた。次に焦点は英国へ移り、金曜日発表の月次GDP統計がイングランド銀行(BoE)の次の一手に対する見通し形成に影響を与えそうだ。
ECBは6月会合で主要政策金利を25bp引き上げるとの見方が大勢で、実現すれば約3年ぶりの利上げとなる。また、中東情勢に伴うエネルギー価格上昇圧力への対応として、主要中銀の中で先陣を切って金融引き締めに踏み切る形となる。英国では、BoE政策担当者のアラン・テイラー氏が「最悪のシナリオが現実化しない限り金利は据え置くべきだ」と述べた。CNBCによれば、市場の織り込みは「年内2回の利下げで政策金利3.25%へ」から「12月までに25bpの利上げ見込み」へと変化している。
ECBとBoEの政策スタンスの乖離
ECBとBoEの政策スタンスが明確に分かれていることを踏まえると、今後数週間にわたり好機があるとみている。ECBは明日6月11日に利上げが見込まれる一方、BoEは慎重姿勢を崩しておらず、これがユーロがポンドに対して上昇しやすいファンダメンタルズ要因となる。したがって、EUR/GBPが現行の0.8625から上昇する方向でポジションを取るべきだと示唆される。
ECBが利上げに踏み切るとの見通しは、インフレ上振れへの直接的な対応だ。直近データではユーロ圏の先月のインフレ率が2.7%へ加速しており、紛争に伴うエネルギー高が押し上げ要因となっている。これは2022年初にブレント原油が1バレル120ドル超まで急騰し、中央銀行が強硬な対応を迫られた状況と重なる。ECBにはインフレ抑制へのコミットメントを示す必要があり、利上げはほぼ確実とみる。
一方で、BoEは国内景気の脆弱さに制約されている。英国GDPは2026年1-3月期に0.4%増にとどまっており、当局が金融環境の一段の引き締めに慎重になるのも理解できる。英国のインフレ率も2.5%と高止まりしているものの、この慎重姿勢によって足元ではポンドの投資魅力が相対的に低下している。
EUR/GBPのポジション構築と市場の織り込み
このため、行使価格0.8700近辺、満期2026年7月のEUR/GBPコールオプションの買いを検討している。この戦略は、ECB決定後にペアが上昇するとの想定から収益機会を狙いつつ、最大損失を支払ったプレミアムに限定できる。重要イベントは、明日のECB記者会見と、6月12日(金)発表の英国GDP統計だ。
これらのイベントを前に、EUR/GBPオプションのインプライド・ボラティリティはすでに上昇しており、市場の警戒感を映している。スワップ市場の現行プライシングでは、ECBの25bp利上げ確率は90%超とされ、実質的な焦点は「2回目の利上げ」に関するガイダンスに移っている。追加引き締めを示唆する兆候が出れば、EUR/GBPは明確に上方向へ動くと予想する。
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