USD/CADは前日小幅高の流れを引き継ぎ、週三のアジア時間には1.3950近辺で推移した。中東情勢の再燃を背景としたリスク回避で米ドルが底堅く推移する一方、カナダは米国最大の原油輸出国であることから、原油高がカナダドルの下支え要因となり得る。
原油は、火曜にイスラエルとイランが一時的に交戦を停止して反落した後、緊張が再び高まったことで上昇した。報道によれば、イランがイスファハンから少なくとも3発の弾道ミサイルを発射した後、米国は週三にイラン沿岸部の標的への第3波攻撃を実施。これは、イランがホルムズ海峡付近で米軍の武装ヘリコプターを撃墜した後に、米国が火曜に初回の攻撃を行った流れに続くものだという。和平合意を巡る不透明感はインフレ懸念と高金利の長期化観測を強めており、想定を上回った米5月雇用統計や「FRBが年内に利上げする可能性」との見方がこれを補強している。カナダ側では、カナダ銀行(BoC)が政策金利を通じてインフレ率1~3%を目標に据える一方、貿易収支と最大の輸出品である原油がCADの主要ドライバーであり続ける。
USD/CAD Range-Bound Amid Conflicting Drivers
USD/CADは、相反する材料が市場の不確実性を高めるなか、狭いレンジでの取引が続いている。原油高がカナダドルを一定程度下支えしているものの、米ドルの広範な底堅さがこれを相殺している。この構図は、今後数週間で目立った方向性を伴う動きが出るには、膠着を打破する明確な材料が必要であることを示唆する。
原油における地政学的リスクプレミアムが再び主要因となっており、WTI原油は1バレル=85ドル超をしっかり維持している。この強さは、OPEC+の協調減産の継続と中東の緊張のくすぶりに支えられており、資源国通貨であるカナダドルを下支えする。歴史的に、2022年に見られたような原油価格の急騰局面は、カナダドル(ルーニー)の上昇と重なりやすい。
もっとも、カナダドルにとって最大の逆風は、米国との金利差拡大だ。BoCは利下げ局面に入り、政策金利を4.75%へ引き下げた一方、FRBは政策金利を5.25~5.50%で据え置いている。この大きな金利差は、カナダドルより米ドルを保有する魅力を高め、USD/CADに上昇圧力をかける。
直近の経済指標も、この中央銀行の方向性の違いをいっそう裏付けた。最新の米雇用統計では雇用者数が25万人超増加し、予想外の強さを示した。対照的に、カナダの成長指標は相対的に弱く、BoCのハト派姿勢を正当化しやすい。こうしたファンダメンタルズ環境を踏まえると、カナダドルの反発局面は長続きしにくい可能性がある。
Trading Strategies and Outlook
以上を踏まえると、トレーダーはUSD/CADの上昇に有利な戦略を検討しつつ、原油急騰リスクに備えたヘッジも意識すべきだろう。USD/CADのコールオプション購入は、米景気の強さやリスク回避が通貨ペアを押し上げる場合に、リスクを限定しながら利益機会を狙える手段となる。レンジ継続を見込む向きには、アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のプットオプションを売ってプレミアム獲得を狙う戦略も選択肢となり得る。
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