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中東情勢の緊迫化でドル高、米CPI発表を前にEUR/USDは1.1540近辺へ下落

by VT Markets
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Jun 10, 2026

EUR/USDは、水曜日のアジア早朝に1.1540近辺へ小幅に下落した。中東情勢の緊迫化が、米ドルに対するユーロの重しとなったためだ。市場の注目は水曜日後半に発表される米5月消費者物価指数(CPI)へ移っており、結果次第で当面の相場の織り込みが左右される見通しだ。

米当局者によれば、水曜日早朝にイランに対する第2弾の攻撃が進行中で、防空・レーダー関連システムを標的にしているという。Axiosが伝えた。これは、前日にホルムズ海峡付近で米ヘリガンシップが撃墜されたことを受け、米国が「均衡の取れた対応」と位置づけた火曜日の報復攻撃に続く動きとなる。情勢のエスカレーションは安全資産としての米ドル需要を下支えする一方、欧州中央銀行(ECB)が6月11日の会合で政策金利を25bp引き上げるとの見方が、単一通貨の下支え要因として一部相殺している。

地政学リスクと今後の経済指標

2026年6月10日時点のEUR/USDは、相反する材料に挟まれている。米国とイランの軍事行動の拡大は米ドルの安全資産需要を押し上げ、通貨ペアに下押し圧力をかけている。一方で、市場を上下いずれにも動かし得る主要経済指標の発表を控え、方向感が出にくい局面でもある。

本日は米CPIの発表を注視している。市場は5月の総合指数を前年比3.4%程度と織り込んでいる。前回はインフレ率が市場予想を上回る3.5%となっただけに、今回も高めの結果となれば、FRBのタカ派スタンスを補強し、ドルを押し上げる可能性がある。この指標は、現行レンジからのブレイクの最も近い材料となり得る。

一方、ECBによる明日の25bp利上げは事前に広く予想されており、ユーロには既に織り込みが進んでいる公算が大きい。持続的な通貨変動の観点では、その後の記者会見で示されるフォワードガイダンスにより注意が向かうだろう。過去には、利上げ・利下げの決定そのものよりも、将来の政策パスに対する市場の反応が相場を左右する局面が多い。

市場ポジショニングとボラティリティ戦略

不確実性が高い状況を踏まえると、向こう2週間はボラティリティ急拡大に備えたポジション構築が妥当とみられる。コールとプットを同一(近似)の行使価格・満期で同時に買うロング・ストラドル戦略は選択肢となる。材料発生後に上下いずれかへ大きく振れた場合に収益機会を得やすい。

中東の地政学リスクは米ドルに一定の下値支持を与え、EUR/USDには明確な下振れリスクをもたらしている。2022年初のウクライナ紛争勃発時にも同様の安全資産需要が強まり、ドルが急伸した。従って、敵対行為の突発的な激化に備え、ヘッジ目的でプロテクティブ・プット(保険的なプット買い)を一定程度保有することにも妙味がある。

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