USD/JPYは、火曜日に160.00近辺から160.50手前へ上昇した後、高値からやや押して引け、日本が4月下旬に円買い介入を実施した水準へと戻ってきた。過去最大規模の介入と、5月上旬に行われたとみられる追加対応により、通貨ペアはおよそ5円規模で下落したが、その上乗せ分は薄れつつある。当局による「一方向の動き」への警告も、効果は短期的にとどまった。原油高も日本の輸入負担を通じて円の重しとなっており、財務省の対応はこれまでのところ口先介入に限定されている。
市場の織り込みでは、日銀が6月15〜16日の会合で政策金利を1.00%へ引き上げる確率がなお約80%と示唆され、実現すれば約30年ぶりの高水準となる。日本の1-3月期GDP確報値は前期比0.5%へ上方修正(市場予想0.3%)され、年率換算でも1.8%となったが、FRBの政策金利(3.50%〜3.75%)との金利差は依然として大きい。テクニカル面では、USD/JPYは50日EMA(159.00近辺)および200日EMA(156.00近辺)を上回って推移している一方、ストキャスティクスRSIは90台を維持し、上値抵抗は160.50直上に位置する。次の焦点は水曜12:30(GMT)発表の米CPIで、市場予想は前月比0.5%、前年比4.2%(前回3.8%)へ加速、コアは前月比0.3%、前年比2.9%が見込まれている。
日本の為替介入と金利差
USD/JPYが160.50を試す中、わずか6週間前に日本当局が介入に踏み切った水準に、現在まさに戻ってきている。報道ベースでは、東京は4月と5月に合計で約10兆円を投じた可能性があるが、その効果はすでに帳消しとなった格好だ。市場は財務省の警告を「脅し」と見なし、現時点では口先シグナルを空砲として扱っている。
円安の根本要因は、依然として金利差の大きさにある。日銀が政策金利を1.00%へ引き上げたとしても、この構図は大きくは変わらない。FRBの政策金利は3.50%を明確に上回っており、この差がキャリートレードによる円売りを促している。実際、米2年債利回りが4.7%超で推移する一方、日本の2年債利回りは0.3%程度にとどまり、スプレッドの大きさが際立つ。
市場の焦点:米CPIとトレーディング戦略
次の大きな方向性を決めうる材料として、本日の米消費者物価指数(CPI)に市場の注目が集まっている。5月の米雇用統計が27.2万人増と強く、FRBが「高金利をより長く」維持するとの見方を一段と補強した。仮に本日のインフレ指標が上振れれば、ドルは対円で一段高となり、日本は追加介入に踏み切るかどうかの判断を迫られる可能性がある。
上方向を狙うトレーダーにとっては、権利行使価格を160.50超に置いた短期コールオプションの購入は、CPI上振れを前提とした計算されたリスクと考えられる。161.00方向へのブレイクで収益機会を得つつ、最大損失を限定できるためだ。ただし、この水準帯では介入リスクが急速に高まるため、利益確定は素早く行う構えが必要となる。
一方、サプライズ介入やインフレ下振れを警戒する場合、プットオプションは有効なヘッジとなり得る。年初来、押し目は概ね買い場となってきたが、権利行使価格159.00近辺の安価なアウト・オブ・ザ・マネーのプットを買うことで、急激な反転への備えが可能になる。これにより、強気スタンスを維持しつつ、東京の介入による大きな下振れリスクを管理できる。
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