豪ドルは対米ドルで約0.25%下落し、ホルムズ海峡でヘリコプターが撃墜されたことを受けてドナルド・トランプ氏がイランへの報復を示唆したことでリスク選好が冷え込んだ。AUD/USDは6週間ぶり安値の0.7005を付けた後、0.7027近辺で取引された。原油は一部下げを埋めたものの結局は安く引け、WTIは約3%下落。米ドル指数(DXY)はほぼ横ばいで終了した。市場の関心は、紛争に伴うインフレ圧力の手掛かりとなる、米5月消費者物価指数(CPI、週三)に移っている。
米指標では、NFIB中小企業楽観指数が95.3へ低下し、52年平均の98.0を下回った。一方、今後3カ月で値上げを計画している企業は34%に上った。ロイター調査では、エコノミスト102人のうち約70%がフェデラルファンド金利の年末水準を3.50%〜3.75%と予想した。もっとも、市場は利上げ22bp分を織り込み、一部FOMCメンバーは一段の高金利となる可能性に言及している。豪州では、6月の消費者信頼感が再び低下。NABは8月のRBAによる25bp利上げ予想を取り下げ、今年3回の利上げを経た政策金利ピークを4.35%と見積もった。テクニカル面では、AUD/USDは0.7024近辺に位置し、0.7132付近の50日・100日・200日移動平均線(SMA)を下回って推移。RSI(14)は36近辺で上向き、0.6833および0.6897から引かれる上昇サポートが意識される。
Market Mood and Policy Divergence Impacting the Australian Dollar
市場心理の悪化が投資家を米ドルなど安全資産へと向かわせている。米中間の貿易摩擦の高まりが市場の警戒感を強め、リスク感応度の高い通貨に直接影響している。その結果、豪ドルは対米ドルで弱含み、足元では0.6550近辺で取引されている。
米国では、インフレの粘着性が主題だ。5月の消費者物価指数(CPI)は前年比3.1%上昇となり、期待ほどの鈍化が確認されなかった。雇用市場は求人件数が810万件へ減少するなどやや冷却しているものの、FRBが慎重姿勢を維持するには十分な強さがある。これにより、金融市場では年内利下げ確率を低く見積もっており、当局者の一部は追加利上げの必要性に言及している。
一方、豪州は状況が大きく異なる。直近のデータでは消費者マインドが低下し、小売売上高の伸びも失速した。中国要因による景気逆風が大きく、RBAは利上げサイクルの一時停止を示唆している。当社は、RBAが8月会合まで政策金利を4.35%に据え置くとみており、豪ドルを下支えしてきた重要な柱が一つ後退した格好だ。
Positioning for Further Downside in AUD/USD Amid Heightened Volatility
タカ派的なFRBと、利上げ停止に向かうRBAという政策スタンスの乖離を踏まえると、AUD/USDの下落局面で恩恵を受ける戦略が視野に入る。豪ドルのプットオプション購入は、今後数週間の一段安に備える明確な手段となる。損失限定で、0.6500の心理的節目といった重要サポートを割り込む展開となれば収益機会が得られる。
また、地政学的不確実性の高まりは、通貨に限らず広範な資産でボラティリティ上昇を示唆する。買いオプションは価格が上下いずれかに大きく振れた場合に有利となるため、この見通しの取引に活用できる。2018〜2019年のような貿易摩擦局面では、VIXなどのボラティリティ指数が不意のニュースで急騰することが過去に確認されている。
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