米国の週間原油在庫は、API(米国石油協会)のデータによれば6月5日までの1週間で911.9万バレル減少した。在庫取り崩しは、市場予想の340万バレル減を大きく上回り、この期間に在庫が想定以上のペースで減少していることを示唆する。
その結果、週間変化は-911.9万バレルとなり、コンセンサス予想(-340万バレル)を大幅に下回った。APIの報告は原油在庫に焦点を当てており、その後に公表される公式統計に先立つ先行指標として注目されることが多い。
需要急増の中、在庫取り崩しは強気シグナル
予想外に大きな原油在庫の取り崩しは、市場にとって重要な強気シグナルとみている。900万バレル超の減少は予測を大きく超え、織り込まれていた以上に需要が強いことを示す。さらに本日公表のEIA(米エネルギー情報局)統計でも、同様に大幅な取り崩し(870万バレル減)が確認され、この流れが裏付けられた。
今回の取り崩しは、夏のドライブシーズン開始と重なる局面で起きており、需要の加速を示唆する。米国の製油所稼働率は、想定される燃料消費に対応するためすでに95.1%まで上昇し、年初来最高水準となった。これは、昨年比で7月4日(独立記念日)連休週の高速道路トラベルが5%増加するとする直近の旅行見通しとも整合的だ。
価格上昇に向けたポジショニングと市場戦略
これを受け、デリバティブを通じて今後数週間の価格上昇を見込んだポジショニングを進めている。具体的には、行使価格が90ドルおよび92ドル近辺の8月限WTIコールオプションの購入を検討している。これにより、夏場の需要ピークに伴う上振れ余地を取り込みつつ、リスクを限定できる。
よりリスク許容度が中程度の投資家にとっては、現行価格を下回る水準でのキャッシュ担保付きプット売りも魅力的だ。このニュースを受けてインプライド・ボラティリティが上昇しており、プレミアムが厚くなっているため、より低い価格で原油を買い付ける義務を負うことの対価(リターン)が高まる。この戦略は、価格が上昇しても横ばいでも、あるいは小幅下落にとどまる局面でも利益を得やすい。
この強い国内需要の見通しは、世界的な供給環境にも支えられている。OPECプラスは第3四半期末まで現行の減産を維持する方針を示している。過去には、OPECプラスの規律ある供給管理と、夏入り時点でのサプライズとなる在庫取り崩し(2021年6月にみられたような)が重なると、価格の底堅さが持続する局面に先行することが多い。
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