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停戦期待でドル需要が一服、米CPIとカナダ中銀会合を前にUSD/CADは2カ月ぶり高値から軟化

by VT Markets
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Jun 9, 2026

USD/CADは4日続伸を止め、2カ月ぶり高値の1.39613から反落し、火曜日の欧州時間は1.3940近辺で推移した。今回の動きは、イランとイスラエルが相互攻撃の停止で合意し、安全資産需要が後退して米ドルが軟化した流れに沿ったもの。米国のドナルド・トランプ大統領の呼びかけを受け、和平協議進展への期待が高まったことも追い風となった。ただし、停戦の持続性には不透明感が残り、警戒感は根強い。

地政学リスクはなお高水準にあり、レバノンのティル(Tyre)住民に対し攻撃に備えた避難警告が出されたほか、イスラエルの首相はイランおよびヒズボラに対する戦争は「まだ終わっていない」と述べた。米国では、強めの雇用指標がインフレ懸念を高め、FRB(米連邦準備制度理事会)の引き締め観測を補強している。CMEのFedWatchツールによれば、12月に25bp利上げとなる確率は43%と、1カ月前の14%から上昇した。市場は水曜日の米CPI、木曜日の米PPIを控えるほか、水曜日にはカナダの国際商品貿易とカナダ中銀(BoC)会合にも注目。政策金利は2.25%で据え置きが予想される。BoCのインフレ目標は1~3%で、量的緩和・量的引き締めも手段として活用し得る。原油価格と貿易収支は、引き続きカナダドルの主要材料となる。

地政学要因の変化がUSD/CADの一時的下押しを誘発

足元のUSD/CADの反落は、トレンド転換ではなく一時的な「息継ぎ」とみている。1.39613からの下落は、中東の緊張緩和への短期的な楽観に起因する。ただし、イスラエルがレバノンで避難を促している状況を踏まえると、落ち着きは脆弱であり、安全資産としての米ドル需要は速やかに戻り得ると考える。

金融政策を巡る中銀間のファンダメンタルズの乖離が、USD/CAD上昇を支える主要因であり続ける。先週金曜日の米雇用統計(非農業部門雇用者数)は28.5万人増と堅調で、FRBがタカ派姿勢を維持するとの見方を補強した。これに対し、カナダの最新GDPは0.1%成長と鈍く、BoCが今週会合で政策金利を据え置く余地を与えている。

ボラティリティ戦略と原油価格の力学

相反する地政学ヘッドラインと重要経済指標の発表を控える環境は、ボラティリティの急上昇を示唆する。こうした局面への対応として、米インフレ指標とBoC会合を前に、方向性にかかわらず大きな値動きで収益機会が得られるオプションを買う戦略を選好している。USD/CADの2週間物オプションのインプライド・ボラティリティは、すでに3カ月ぶり高水準の8.2%へ上昇した。

方向性を持つ投資家にとっては、1.3940近辺への下押しをロング構築の機会と捉える。コールスプレッドの買いなどデリバティブ戦略を用いれば、リスクを限定しつつ1.4000回復に向けた上昇余地を取り込める。中東関連ニュースの不確実性を踏まえると、こうした設計は合理的だ。

原油価格の上昇(WTI原油は直近で1バレル92ドル超で引け)は通常、カナダドルにとって強い追い風となる。しかし現在は、FRBの利上げ観測という強い要因に押し出され、原油要因が相対的にかすんでいる。歴史的には、金融政策の乖離が大きい局面ではカナダドルと原油の相関が低下しやすく、この傾向は当面続くと見込む。

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