INGは、英中銀(BOE)が年内の追加引き締めを回避すると見込まれることから、ポンドはユーロおよび米ドルの双方に対して下落し得ると指摘した。市場は小幅な動きしか織り込めておらず、同社は9月会合で利上げが示唆される度合いが21bpにとどまっている点を挙げた。加えて、企業のインフレ期待に関するデータが、いわゆる二次波及(セカンドラウンド)によるインフレ効果のリスク認識を低下させているとしている。
欧州中央銀行(ECB)がよりタカ派寄りの姿勢に位置づけられる一方、株式市場のセンチメントは脆弱とされ、INGはクロスが上振れする余地があると警告した。EUR/GBPは0.8680近辺へ再びじり高で戻るとみており、GBP/USDは1.3300の試しを想定。リスク許容度がさらに悪化すれば、1.3200までの「テールリスク」もあるとしている。
Bank Of England Policy Stance And Market Implications
英中銀は、年内残りの期間について追加引き締めを回避しようとする公算が大きい。最新の英国CPI(5月)は予想を下回る2.8%となり、二次波及的なインフレ効果が抑制されているとの確信をBOEに与えた。こうした政策の慎重姿勢は、ポンドの見通しに重しとなりやすい。
対照的に、ECBはよりタカ派的な道筋を示唆しており、足元のユーロ圏インフレは3.1%と上振れサプライズとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)も、5月の雇用統計で雇用者数が21万人増と堅調だったことを受け、引き締め姿勢が維持されている。慎重なBOEと、より断固とした主要中銀との政策スタンスの乖離拡大が、当社見通しの主要ドライバーである。
Sterling Vulnerability, Risk Sentiment, And Trading Strategies
ポンドはリスク選好通貨とみなされやすく、投資家心理が悪化する局面では相対的に弱含みやすい点でも脆弱だ。代表的な恐怖指数であるVIXは19.5までじり上昇しており、市場がボラティリティ上昇に備えていることを示唆する。この環境では、資金がポンドから米ドルなどの安全資産と見なされる通貨へ向かいやすい。
タカ派的なECBと脆弱な株式市場の地合いを踏まえ、当社は今後数週間でEUR/GBPが0.8680水準へ回帰する動きを選好する。歴史的にも、この種の政策乖離はクロス相場を支えてきた。トレーダーは、この上方向の可能性に備え、コールオプションの活用を検討し得る。
GBP/USDについては、ドル高基調が続く中、1.3300の支持水準を試す明確な道筋があるとみる。より顕著なリスクオフ局面では、1.3200までの下振れリスクも十分にあり得る。向こう数週間は、プットオプションによる下落ヘッジ、あるいは先物売りで一段安に備える戦略が妥当と考えられる。
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