AUD/USDは火曜日のアジア時間に0.7165近辺へ下落した。米国とイランの緊張が再燃し、リスク選好に敏感な通貨が圧迫されるなか、豪ドルは米ドルに対して弱含んだ。米中央軍(CENTCOM)は月曜日、イラン南部で新たな攻撃を実施し、ミサイル関連施設や、機雷敷設を試みていたとされるボートを標的にしたと発表。米軍は今回の行動について、イラン軍による脅威から部隊を守るための「自衛措置」だとしている。
こうした動きは、イラン外務省が米国との協議で一定の進展があったとしつつも、紛争終結に向けた合意は「差し迫っていない」と述べたことと重なり、交渉の先行き不透明感が残るなかで米ドル需要を下支えした。次の焦点は水曜日に発表される豪インフレ指標で、4月のCPI(総合)は前年比4.4%(3月:4.6%)へ鈍化する見通し。月次は0.6%(同:1.1%)が予想されており、上振れとなれば豪ドルの支援材料となり得る。
地政学リスクがAUD/USDの下押し要因に
豪ドルは中東での紛争激化を受け、安全資産とされる米ドルへ資金が向かうなかで圧力を受け、0.7165前後まで下落している。市場の恐怖度を示す代表指標であるVIX指数は直近48時間で15%超上昇しており、一般にAUDのようなリスクセンシティブ通貨には逆風となりやすい環境だ。現状、地政学的緊張が本通貨ペアの弱含みの主因となっている。
この状況下では、明日発表の豪消費者物価指数(CPI)への注目度が一段と高まる。市場は前年比インフレ率の4.4%への低下を見込む一方、豪準備銀行(RBA)の政策金利は4.35%で据え置かれているため、上振れサプライズとなれば将来の金利政策見通しの急速な見直しを迫る可能性がある。データ発表は相場変動の重要なカタリストとなり得る。
CPIを控えたボラティリティとポジショニング
地政学的なヘッドラインと主要インフレ指標という「二者択一」のリスクが並ぶなか、最も妥当な戦略はボラティリティを買うことだと考える。結果を予測せずに上下いずれの急変にも備える手段として、1週間ストラドルなどオプションの活用を検討している。AUD/USDオプションのインプライド・ボラティリティは今週すでに8%上昇しており、市場が不確実性を織り込みつつあることを示す。
過去には、豪州の強い国内指標が、世界的なリスクオフ局面にかき消される場面も多かった。想定以上に強いインフレ指標となっても、米・イラン間の緊張が深まればAUDの上昇は一時的な急伸にとどまる可能性がある。このため、強いCPIを受けてロングを構築する場合でも、リスク管理はタイトに設定すべきだ。
この環境下での米ドルの強さは軽視できない。投資家の安全志向を背景に米ドル指数(DXY)は105.50を上回って上昇し、米国債への需要も増加している。地政学リスクが後退するまで、AUD/USDは下方向が優勢になりやすい。
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