メキシコの経常収支、GDP比3.1%の赤字に転落 ペソへの下押し圧力と変動性リスクが高まる

by VT Markets
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May 26, 2026

メキシコの累積経常収支は第1四半期に悪化し、GDP比で▲3.1%の赤字へと転落した。前回の1.55%からの変化であり、この期間に黒字から赤字へ反転したことになる。

この動きは、前期と比べて対外収入と支払いのギャップが拡大したことを示し、累積ベースでは経常収支が国民所得の押し上げ要因ではなくなったことを意味する。また、年初時点でGDP比の対外ポジションが弱含んだことを示唆している。

通貨リスクと対外逆風

メキシコの経常収支が▲3.1%の赤字へ急反転した点は、メキシコ・ペソに近く下押し圧力がかかる強いシグナルだとみる。この変化は、国内に流入する資金より流出する資金が上回っていることを示し、通貨の基礎的条件を弱める。1.55%の黒字からの振れ幅を踏まえると、トレンドに勢いがつく可能性がある。

この見方は、最近の統計とも整合的だ。2026年4月の製造業輸出は前年比5%減と減速している。さらに、ペソを下支えしてきた米国からの送金も、速報ベースでは2026年第1四半期に2%低下した。これらの要因は、今後数週間にわたり通貨の重しになり続けると考える。

戦略面の含意と過去の文脈

不確実性の高まりを踏まえると、USD/MXN(ドル/ペソ)の変動率上昇が見込まれる。1カ月物オプションのインプライド・ボラティリティは直近24時間で11%から13.5%へ急上昇しており、さらに上振れすると予想する。上下いずれにも大きな値動きを取り込めるストラドルなど、ロング・ボラティリティ戦略が有効になりやすい局面だ。

方向性のある見通しとしては、アウト・オブ・ザ・マネーのUSD/MXNコール(ドル高・ペソ安)を買い、ペソ安に備える。具体的には、2025年末以来の水準となる18.50近辺の行使価格の契約に注目している。これは、既存のペソ・ロングのエクスポージャーに対するヘッジとしても有効だ。

過去には、経常赤字の急拡大局面が大幅なペソ安に先行した例がある。例えば2018年には、6カ月で7%下落した。グローバル環境は当時と異なるものの、この前例は、先物を用いて中長期のペソ・ショートを構築するという見立てを補強する。資金流出の一部に対抗するため、中銀バンシコ(Banxico)は政策金利を据え置く可能性が高い。

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