BNYは、南アフリカ準備銀行(SARB)がこれまでの緩和を反転させ、レポ金利を7.0%まで引き上げることで、新興国(EM)の引き締めサイクルの先導役となる構えだと指摘した。米国金利の上昇と米連邦準備制度理事会(FRB)の政策がEM中銀のハードルを押し上げるなか、足元で相次いだアジアのサプライズ利上げは、資本流出を抑えるための通貨防衛策として位置づけられる。トルコも外貨準備への圧力が強まっていることから次の一手があり得る国として挙げられる一方、より差し迫った候補は南アであり、政策の信認を支え、南アフリカ国債(SAGB)の安定化を図る狙いがあるという。
リポートは、従来の「インフレ目標の引き下げ」と、貴金属価格上昇に伴う交易条件改善に依拠したアプローチからの転換を描く。コアインフレ率が前年同月比で再び3.5%を上回り、総合インフレ率も4.0%水準に戻ったことを踏まえ、期待インフレをアンカーする必要性が高まっているとする。メモで参照されたデータでは、政策への信認が完全に損なわれたわけではなく、年初来で資金流入が改善していることが示され、鉱業・素材株への資金フローが、より堅調な実質金利バッファーとともにランド(ZAR)を下支えしているという。
南アフリカ準備銀行が利上げ局面を主導
世界の金利環境は、米FRBの政策によって再設定されつつある。これが新興国の中央銀行に行動を迫っており、われわれはSARBがこの動きを主導しているとみる。SARBは今後数週間で新たな利上げサイクルを継続し、現在の6.5%からレポ金利を7.0%に戻すことを目指すと見込まれる。
このタカ派シフトは、インフレの上振れに対する直接的な反応であり、直近データでは4月の物価上昇率が4.2%へと上昇したことが示された。通貨防衛と期待インフレのアンカーのため、SARBは決定的な利上げを行わざるを得ない。これにより、対ドルでの南アフリカ・ランド(ZAR)にとって、より安定した環境が形成されると考える。
デリバティブ取引では、金利差拡大によりランドの投資妙味が高まるため、ランド高を見込むポジショニングを検討すべきだ。第1四半期のデータはこの傾向を裏付け、同国へのポートフォリオ純流入が150億ランド超となった。プラチナなど主要鉱物輸出の価格が安定していることも、通貨の基調的なサポート要因となっている。
債券市場への含意とグローバルリスク
債券市場では、これらの利上げは南アフリカ国債(SAGB)の安定化を狙うものとされる。SARBが迅速に動くことで実質金利バッファーを再構築し、利回りを求める海外投資家にとって債券の魅力を高める。イールドカーブのフラット化を見込み、これを取り込む手段として金利スワップに注目している。
この見通しに対する最大のリスクは米国であり、最終的に世界の金利水準の基準を定めるのはFRBだ。2013年の「テーパー・タントラム」に関する過去データは、FRBが想定以上にタカ派化した場合、EM資産がいかに急速に売られ得るかを示している。米10年国債利回りが4.0%を明確に上抜ける兆候が出れば、EM中銀は一段と強い対応を迫られることになる。
今すぐ取引を始めましょう — VT Marketsのリアル口座を開設するにはこちらをクリックしてください。