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原油高で強まるドル需要と日銀の利上げ・為替介入リスクが交錯し、ドル円は159円近辺で推移

by VT Markets
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May 18, 2026

USD/JPYは6日続伸し、週明け月曜の欧州時間に158.90近辺で推移した。背景には、日本のエネルギー輸入企業が、価格が上昇したエネルギー代金の支払いに必要な米ドルを確保するため、円を大量に売ってドルを買う動きがあった。

原油価格は、イランとオマーンの技術者チームが先週オマーンで会合を開いたとの報道を受け、序盤の上昇幅を縮小した。協議は、ホルムズ海峡の安全な通航を確保する仕組み(航行の安全ルールや運用手順)に焦点が置かれた。

原油価格と日銀見通し

原油高は物価上昇(インフレ)への警戒を強め、日銀(日本銀行)が近く政策金利を引き上げるとの見方を支えた。これにより、円安の一段の進行は抑えられる可能性がある。先週、日銀審議委員の増一行氏は、戦争の長期化に伴う物価上振れリスク(インフレが想定以上に高くなるリスク)が続くとして、早期の利上げを求めた。

木原誠二官房副長官は、政府は長期金利を含む市場の動きを極めて高い緊張感を持って注視していると述べた。為替市場への介入(政府が為替市場で円を買って円高方向に誘導する取引)の可能性については言及しなかった。

USD/JPYの上昇は、米ドルが売られやすくなる動きで上値が抑えられる可能性がある。背景には、安全資産としての需要(有事に買われやすい通貨への需要)が弱まりつつあることがある。イラン外務省は、緊張が高まり外交環境が厳しい中でも、米国との間接的な連絡経路は維持されているとした。

ブレント原油がこの1カ月、1バレル95ドルを上回って推移していることを踏まえると、日本のエネルギー輸入企業による米ドル需要は続きやすく、USD/JPYの下値を支える要因になり得る。こうした需給面の圧力が、足元の強さの主要因であり、エネルギー価格が高止まりする限り、この傾向は続く可能性がある。

政策介入リスク

一方で、この状況は日銀にとって難しい判断を迫る。日本の4月のコアCPI(生鮮食品を除く消費者物価指数。物価の基調を測る指標)は2.9%となり、日銀目標(2%)を4カ月連続で上回った。物価の高止まりを受け、市場では次回会合で利上げに動かざるを得ないとの見方が強まっている。利上げは円高を促し、USD/JPYを押し下げる可能性がある。

足元の159.00近辺は、過去に当局が強く反応しやすかった水準に入りつつある。2024年に財務省が大規模介入を行った局面のように、当局の強い警戒が意識されやすい。政府が「極めて高い緊張感」を示していることを踏まえると、円買い介入(政府がドル売り・円買いを行い円高を促す)のリスクは非常に高い。こうした水準では、買い持ち(ロング)を保有する投資家は慎重な判断が求められる。

さらに、米ドル自体が弱含んでいる点も重しになり得る。先週発表された米小売売上高が市場の期待を下回り、米景気の減速を示唆したためだ。これに中東の地政学リスクの緩和が重なり、安全資産としての米ドルの魅力が低下している。この要因により、通貨ペアの上昇余地は限定される可能性がある。

こうした相反する材料の下で、USD/JPYのオプション(将来の為替レートをあらかじめ決めた条件で売買できる権利)の1カ月物インプライド・ボラティリティ(市場が見込む将来の変動の大きさ)は12%超へ上昇した。先行き不透明感の強さを映している。この環境では、単純なコール(上昇に賭ける権利)やプット(下落に賭ける権利)の購入はコストが高くなりやすい。代替として、ストラドル(同じ権利行使価格でコールとプットを同時購入)やストラングル(異なる権利行使価格でコールとプットを同時購入)といった、上下どちらにも大きく動いた場合に利益を狙う戦略が検討される。介入や中央銀行の想定外の判断が大きな値動きのきっかけになり得るためだ。

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