カナダドルは金曜日遅くに米加貿易交渉が決裂したことを受けて下落し、この日のG10通貨で最もパフォーマンスが悪かった。オタワが最新の米国関税に対し「1ドル対1ドル」で報復すると述べ、さらに州向けの国内支援を示唆したことで、対米ドルで0.5%下げた。政策対応はカナダ企業にとって事業環境の不確実性が高まることを示し、対米ドルのみならずクロスでも当面の通貨下押し圧力を強めている。
スポットでは、USD/CADは200日移動平均線の1.3844近辺へ反発。もっとも、6月下旬以降の広範な下落基調はなお維持されているとの見方で、モメンタム指標もまだ転換を示していない。短期的なバイアスは引き続き米ドル高で、1.38半ばを上抜ければ、1.39半ばから後半にかけての水準が視野に入る、との位置づけだ。
貿易交渉決裂後の短期USD/CAD取引戦略
米加貿易交渉の突然の決裂を受け、当社はUSD/CADについて短期的に強気スタンスへ転換する。為替レートが重要な200日移動平均線(1.3844)を試す局面では、デリバティブ取引参加者に対し、短期的な急反発に備えたポジション構築を推奨する。カナダドルはすでに対米ドルで0.5%下落しており、こうした上昇圧力が今後数週間でペアを1.3950水準へ押し上げると見込む。
リスク管理と中長期見通し
過去には、2018年の関税対立のように近接する貿易相手国同士で突発的な紛争が生じると、USD/CADのインプライド・ボラティリティが数セッションで15%超上昇した例がある。足元のオプション市場データでは1カ月物インプライド・ボラティリティが上昇し始めており、プレミアムが割高になる前に、ヘッジとしてUSDコール(米ドル・コール)を購入すべき局面といえる。目先のドル高局面を取り込む戦略として、権利行使価格1.3900の短期コールをターゲットにすることを提案する。
USD/CADの数カ月にわたる下落トレンドはテクニカル的には依然として生きているものの、貿易戦争の長期化はカナダの輸出セクターを脅かす。輸出は歴史的に同国GDPのおよそ30%を占めてきたためだ。この経済的圧力は、国内企業を支えるためにカナダ銀行(BoC)が想定以上に速いペースで利下げを行う要因となり得る。長期のショート(売り)ポジションを保有する投資家には、トレンドの全面反転に備え、1.3980水準を上回る近辺にタイトなストップロスを設定し、資本防衛を図ることを推奨する。
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