メキシコ・ペソは火曜日、10年ぶり高値圏を維持した。USD/MXNは16.95を下回り、直近は16.94。市場は米国指標と米国・イラン関連の動向を見極めた。メキシコの経常収支は2026年4〜6月期(Q2)に89億ドルの黒字となり、改定後の2026年1〜3月期(Q1)の182.3億ドルの赤字から反転した。米国では、米国債利回りの低下がドルを圧迫し、米ドル指数(DXY)は0.08%安の98.90。地政学リスクも取引を左右した。Axiosが伝えた関係筋によれば、マルコ・ルビオ米国務長官は、ワシントンがイラン対応を「攻撃」から「制裁」に軸足を移しつつあると示唆し、当面は新たな攻撃を実施しない見通しだという。
米指標はまちまちだった。コンファレンス・ボードの消費者信頼感指数は予想を下回った一方、8月の現況(現況判断)は、雇用市場に対する見方の改善とともに小幅に持ち直した。7月の住宅建設許可件数は増加し、ADP雇用者数の4週平均は前週の水準を上回った。ボストン連銀のコリンズ総裁は、成長を「トレンド近傍」、労働市場を「完全雇用に整合的」としつつも、インフレに対してタカ派姿勢を維持。市場の焦点は、ジャクソンホールでのケビン・ウォーシュFRB議長の講演を前に、コアPCEへ移っている。耐久財受注、GDP、新規失業保険申請件数の発表も控える。
USD/MXNのボラティリティに向けたデリバティブ取引戦略
メキシコ・ペソが10年ぶり高値圏で推移し、USD/MXNが16.94近辺で小動きとなるなか、デリバティブ投資家にとって短期ボラティリティを取りに行く好機が到来している。オプション取引では、USD/MXNの短期プット・スプレッドに注目し、継続する下落モメンタムを収益機会として取り込みたい。相対力指数(RSI)が31近辺で推移しており売られ過ぎを示唆していることから、下落基調が再開する前に、小幅なテクニカル反発が入り得る点は念頭に置くべきだ。
ファンダメンタルズの根拠と戦術的ポジショニング
ペソを支えるファンダメンタルズは極めて強固で、背景にはメキシコの潤沢な金利差がある。歴史的にバンシコ(メキシコ中銀)は政策金利を米FRBより大幅に高く維持してきており、過去数年はスプレッドが500bpを超える場面も多かった。この大きな利回り格差はMXNキャリートレードを引き続き誘発し、ペソロングのデリバティブ・ポジションを利回り志向の投資家にとって魅力的なものにしている。
ペソ強気の見通しは、2026年Q2の経常収支が89億ドルの黒字となったことなど、堅調なマクロ指標によっても裏付けられる。さらに、海外送金の高水準が外貨流入を下支えしている。海外送金は過去に年630億ドル超の過去最高を記録しており、現在も流動性の底固さを提供している。こうした強いファンダメンタルズを踏まえ、USD/MXNが17.33のレジスタンスを上回りにくい局面では、USD/MXNのカバード・コール(コール売り)を組み合わせ、プレミアム獲得を狙う戦略が有効となり得る。
今後数週間は、コアPCEと、ジャクソンホールで予定されるケビン・ウォーシュFRB議長の注目講演を注視したい。米インフレ指標が上振れサプライズとなれば、USD/MXNが一時的に戻し、17.36近辺の下降トレンドライン上限に向けて上昇する可能性がある。もっとも、そうした調整的な反発は、新規のショート構築に向けた高確度のエントリーポイントと捉え、最終的には15.49近辺の歴史的・構造的サポート水準への到達を目標としたい。
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