USD/JPYは月曜日に約2円下落して6カ月ぶり安値を付けた後、154.00をわずかに上回る水準で推移している。介入の確認はなく、AUD/USDが5月中旬以来の高値圏にあることからも、幅広いキャリートレードの巻き戻しを示す兆候は乏しい。米指標は表面上ドルを支える内容だった。非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の5.3万人に対し16.2万人増、失業率は4.1%で横ばいとなり、9月15-16日の米連邦準備制度理事会(FRB)利上げ確率は49.4%から58%へ上昇、2年債利回りも2025年1月以来の高水準に押し上げられた。それでもUSD/JPYは6カ月ぶり安値を更新し、9月2日の160.00超の高値からは約6円下落しており、市場の焦点は日銀の利上げパスの再評価に移っている。
日本の政策金利は6月以降1%だが、スワップ市場では9月18日の0.25%利上げが約97%織り込まれ、10月についても約4分の1の確率が付与されている。一方、米金利は3.50%〜3.75%で、仮に双方が0.25%動かしても金利差は約2.6%ポイント残る。国債利回りは上昇しており、10年は9月1日に1996年以来初めて3%を上回り、2年も1995年以来の高水準となった。市場は、日本の賃金(市場予想:前年比+3.9%、前回+3.4%)、経常収支(予想:+2.87兆円、前回:923億円の赤字)、GDP(予想:前期比+0.4%、前回+0.3%)を注視している。米国ではPPIが前月比+0.4%(前回0.0%)、前年比+5.3%(前回+4.7%)が見込まれ、CPIは前月比+0.4%(前回+0.1%)、前年比+3.4%、コアは+2.4%が予想される。テクニカルでは上値抵抗が154.50、155.00、156.00、200日EMAが158.00近辺、50日EMAが159.50弱。下値支持は154.00、次いで153.50、153.00。ストキャスRSIは日足82、短期で76前後と高水準にあり、155.00が維持される限り弱含みバイアスとされる。
市場ダイナミクスの変化と戦略上の含意
USD/JPYの値動きには根本的な変化が生じており、デリバティブ取引では今後数週間にわたる円高進行に備えるべき局面とみる。米雇用統計の強さでFRB利上げ確率が58%まで上昇したにもかかわらず、相場が154.00まで下落したことは、従来の「金利差トレード」が機能不全に陥っていることを示す。足元では日本側の要因が価格形成を主導しているため、ドル買いではなく、反発局面でUSD/JPYを戻り売りする戦略に軸足を移すべきだ。
過去の事例と売買提案
過去を振り返ると、2024年8月の劇的な円キャリートレード巻き戻しが参考になる。日銀がわずか15bp利上げしただけで世界的な市場変動が拡大し、当時USD/JPYは161.00超から数週間で141.00近辺まで急落した。東京の政策変更に対する感応度の高さが改めて示された形だ。10年国債利回りが1996年以来初めて3%を上回ったことで、国内で金融引き締めを促す圧力は数十年ぶりの強さに達している。
短期のデリバティブ戦略としては、155.00のレジスタンスに向けた戻り局面を、ショート構築またはプット購入の機会として狙いたい。日足ストキャスRSIは82と依然高水準であり、相場が売られ過ぎに達するまで下落余地が残ることを示唆する。まずは154.00のサポートを注視し、明確に割り込めば153.00まで未踏領域の下値余地が開く可能性がある。
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