EUR/GBPは月曜日、0.8575近辺で推移し、概ね横ばいとなった。ユーロは対ポンドでモメンタム再構築に苦戦している。ドイツでは、フリードリヒ・メルツ首相の与党が地方選挙で後退し、政治リスクが再浮上。単一通貨の重しとなった一方、エネルギーコストの軟化は一定の下支えとなった。ブレント原油は100ドルを割り込み、先週の高値から8%超下落して取引されており、ユーロ圏にとって輸入コスト圧力の緩和につながりやすい動きだ。
焦点は欧州中央銀行(ECB)と英イングランド銀行(BOE)の政策スタンスの差にも移っている。ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は、判断はデータ次第で会合ごとに行うと改めて強調した。一方、BOEのアンドルー・ベイリー総裁は、追加の引き締めがなお必要となる可能性を示唆した。ラボバンクは、ECBが12月に預金ファシリティ金利を現行2.50%から25bp引き上げて2.75%とする見通しを維持している。同行は、この動きを広範な利上げサイクルの開始ではなく、追加のエネルギーショックへの対応と位置付ける。エネルギー価格は3月から落ち着き始めるとみており、2.50%超の金利水準は一時的で、2027年後半には引き下げに転じる可能性が高いとしている。ラガルド総裁は月曜後半にフランクフルトで講演予定。ユーロ圏と英国の9月速報PMIは水曜日に発表される。
EUR/GBPのボラティリティに対応するデリバティブ戦略
デリバティブ取引担当者には、足元0.8575近辺で持ち合うEUR/GBPについて、ボラティリティ上昇に備えることを推奨する。直近高値から100ドルを割り込むまで低下したブレント原油の下落圧力と、ドイツ政治の不安定化という相反する要因を踏まえると、短期のストラドルは有効性が高い可能性がある。過去には、ユーロ圏で政治情勢が急変する局面でEUR/GBPのインプライド・ボラティリティが1.5~2%上振れしやすく、現状ではオプション買い戦略の妙味が増している。
ドイツの地方選挙結果を受けた下振れリスクに備えるヘッジとして、ユーロの短期プットオプションの活用を提案する。メルツ首相の政治的痛手は、欧州最大の経済大国であるドイツの改革を停滞させかねず、歴史的に単一通貨の下押し要因となりやすい。過去データでは、ドイツ政治の膠着が長期化すると、EUR/GBPが心理的な重要サポートである0.8400近辺まで押し下げられやすいことが示されている。
ポートフォリオのポジショニングとデータ主導のトレード設定
原油が足元で下落しているものの、エネルギーコストの粘着性を背景に、12月にECBが2.75%へ利上げする可能性も念頭にポートフォリオを構築すべきだ。この25bpの利上げはインフレ期待を押さえ込むための一時的措置となる公算が大きいことから、短期の金利スワップを用いて当面の利回りプレミアム獲得を狙う戦略を提案する。このポジショニングにより、短期的な利上げ局面で収益機会を得つつ、ECBが2027年後半に方針転換する前に対応しやすくなる。
今週の当面の材料として、水曜日に予定されるユーロ圏・英国の速報PMIを注視する必要がある。英国の製造業PMIが50.0の景気分岐点付近で推移するなか、上振れサプライズが出ればポンドを押し上げ、EUR/GBPの下押し圧力となり得る。指標発表後の短期的なブレイクアウトを捉えるため、0.8520のサポート、0.8610のレジスタンス周辺にタイトな指値注文を設定することを提案する。
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