金は4,300ドルを下回り、約1週間ぶりの安値圏で推移した。市場はドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席の協議を待ち、レアアース、技術規制、そして現行の米中休戦が延長されるかどうかに注目している。上値は、米金融政策がより引き締まるとの見方が強まり、抑制された。CMEフェドウオッチでは、市場が10月利上げ確率を70%近くまで織り込んでいることが示された。こうした見方は、S&Pグローバルの米国速報コンポジットPMI生産指数が9月に58.4と、8月の56.0から上昇し、4カ月連続で加速、2021年7月以来の高水準となったことを受けて一段と強まった。
地政学リスクも金利・通貨の動きに波及した。国連総会(UNGA)では米国とイランの緊張が重なるなか、原油価格が3%上昇し、インフレ懸念が再燃。FRBの追加利上げ観測を支えた。米10年債利回りは2007年7月以来の高水準に上昇し、米ドルは約2カ月ぶりの高値近辺まで上伸。金相場には下押し圧力となり、4,235ドル割れは一段の弱気シグナルと指摘されている。テクニカル面では金は100日指数平滑移動平均(EMA)を下回って上値を抑えられ、RSIは44.6近辺、MACDもマイナス。下値支持は4,227ドル、4,101ドル、3,940ドル、上値抵抗は4,316ドル、4,359ドル、4,405ドル、その上は4,515ドル、4,693ドルとされた。
地政学・経済不確実性の高まりを受けたデリバティブ取引戦略
2026年9月最終盤を迎えるなか、金(XAU/USD)が4,300ドルの節目をわずかに下回って推移する状況では、デリバティブ投資家はボラティリティ上昇に備えるべきだ。トランプ大統領と習主席の会談は、大きな進展が見込みにくいとの見方が優勢である一方、ヘッドライン次第で急激な値動きを誘発し得る。技術規制やレアアース関連の報道に伴う突発的な変動を捉える手段として、短期のオプション・ストラドルの活用を推奨する。
弱気見通しは、景気指標の強さによって補強される。S&Pグローバルの米国コンポジットPMIは9月に58.4へ上昇し、2021年7月以来の高水準となった。堅調な企業活動を背景に、市場は10月のFRB利上げを約70%織り込むまでに至っている。その結果、米10年国債利回りが2007年7月以来の高水準に達するなど金利上昇が進み、金の上値余地を抑える強い逆風になるとみる。
テクニカル要因とヘッジ推奨
また、米国とイランの緊張激化を注視する必要がある。これが直近で原油価格を3%押し上げた。エネルギー価格の急騰はインフレ懸念の再燃を招き、FRBのタカ派姿勢を後押しするとともに、米ドルを2カ月ぶり高値圏へ押し上げ得る。デリバティブ戦略としては、地政学リスクの相殺を目的に、金のロング(買い)ポジションを原油先物やコールオプションでヘッジすることを提案する。
テクニカル面では、月次のスイング安値である4,235ドルを明確に下抜けるかが、次の構造的サポートである4,227ドルに向けた下落基調の確認ポイントとなる。それまでは、100日EMA(4,359ドル)近辺では戻り局面でも強い売り圧力に直面しやすいとみる。戻り局面ではコール・スプレッドの売り、またはプット購入を選好し、RSIが44.6と上昇モメンタムの鈍化を示している点を注視したい。
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