シカゴ連銀全米活動指数(CFNAI)は8月に▲0.04となり、過去のトレンド比でみた総合的な経済活動が小幅に弱含んだことを示した。指数はゼロを下回る水準にとどまり、一般にトレンドを下回る成長を示唆するが、当月は中立(ゼロ)に近づいた。
8月の数値は前回の▲0.08から改善し、CFNAIは前月比で小幅に上昇した。依然としてマイナス圏ではあるものの、前回からのマイナス幅の縮小は、直近データの弱さがやや和らいだことを示している。
経済見通しとデリバティブ戦略への示唆
最新のシカゴ連銀全米活動指数が8月に▲0.08から▲0.04へと上昇したことは、米経済が過去のトレンドをわずかに下回るペースで拡大している一方、下振れモメンタムがいったん止まったことを示す。デリバティブ取引の観点では、この程度の経済指標は、景気後退が差し迫っているというより「ソフトランディング」局面にあることを示唆する。底堅い環境は、過度に防御的なヘッジを急ぐ必要性を低下させ、レンジ相場を前提とした収益獲得型戦略へのシフトを可能にする。
CBOEボラティリティ指数(VIX)が足元で14近辺で推移していることから、オプション・プレミアムの売り手は、今後数週間にかけて比較的安定した株式市場の恩恵を受けやすい。オプションのタイムディケイを取り込むため、S&P500を対象に、アイアンコンドルやショート・ストラングルなどのニュートラル戦略の構築が選択肢となる。マクロ指標はインフレ懸念を強めるほど強くもなく、景気後退懸念を誘発するほど弱くもないため、インプライド・ボラティリティは低下基調になりやすい。
金利とセクターローテーションに関する提言
金利市場では、今回のデータはFRBが緩和に向かうとしても、極めて慎重な(段階的な)利下げパスを支持し、大胆な利下げを見込むポジションの妙味は低下する。大きくアウト・オブ・ザ・マネーの金利オプションへのエクスポージャーは縮小し、代わりにレンジ相場を想定した米国債先物の戦略に軸足を移すことを提案する。過去の経験則では、CFNAIの3カ月移動平均が▲0.70を上回って推移する局面では深刻な景気後退は回避されやすく、10年米国債利回りは直近の3.75%前後を基準に、レンジ内での推移が意識されやすい。
株式オプションの運用面では、市場全体の上昇に依存するのではなく、セクター別のローテーションを織り込むよう戦略を調整することも推奨する。成長率がプラスでもトレンドを下回る局面では、高ベータのテックよりもディフェンシブ・セクターやバリュー株が相対的に優位となりやすい。これを踏まえ、高PERのグロース株にはプロテクティブ・カラーで下方リスクを限定しつつ、安定配当セクターにはカバードコール(保有株コール売り)を組み合わせてプレミアム獲得を狙う戦略が有効となる。
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