金(XAU/USD)は週明け月曜の欧州時間序盤、4,100ドル台を小幅に窓を開けて上回ったものの、その後の上値追いには苦戦した。市場は水曜の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に慎重姿勢を強めている。米国による対イラン攻撃が13夜連続の後にいったん停止し、テヘランも米国が同様に停止するなら攻撃を止めるとの報道が伝わると、原油は下落し、インフレ懸念が後退した。これを受けて利上げ観測は弱まり、米国債利回りは低下、米ドル(USD)は先週の「月間高値再試し」水準から反落し、利息を生まない金には限定的な支援材料となった。
もっとも、停戦ムードの持続性には懐疑的な見方が残る。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海沿岸のサウジ石油施設を攻撃したことを受け、7月26日にはバブ・エル・マンデブ海峡を通過する海運が減少した。ホルムズ海峡の通過制限に絡む供給混乱リスクへの警戒は原油相場の下支えとなり、結果としてドルの下値余地を限定し、金の上昇も抑制している。テクニカル面では、6月19日以降の値動きは200日単純移動平均線(SMA)を下抜けた後の「レクタングル(ボックス)相場」に近く、より大きな下落トレンドは維持されている。相対力指数(RSI)は50をわずかに下回り、MACD(移動平均収束拡散法)はプラス圏。上値抵抗は4,200ドル近辺に位置し、同水準を日足終値で上抜けて初めて、200日SMAの4,493.65ドルが視野に入る。
FOMC会合を前にした戦略的アプローチ
米・イラン間の敵対行為が一時的に止まっている局面にあるものの、デリバティブ取引では今週水曜の重要なFOMCを前に慎重姿勢を維持することを推奨する。金は4,100ドル台の上で持ち合っており、市場はFRB(米連邦準備制度理事会)の政策スタンス変更の可能性を織り込みにかかっている。FRBが明確な方向性を示すまでは、ブレイクアウトを追いかけるよりも、短期のレンジ取引戦略に重心を置きたい。
外交期待が原油を一時的に押し下げた一方、昨日はフーシ派による新たな攻撃を受けてバブ・エル・マンデブ海峡の海運が急減した。歴史的に、紅海航路の混乱は通過量を40%超押し下げることがあり、エネルギーコストとインフレ期待を素早く押し上げやすい。こうした地政学リスクが残存する以上、原油価格には強い下値支持が形成され、金の大幅な下落も限定されるとの見方を示す。
ボラティリティ取引とテクニカル見通し
今週の政策金利決定を狙う取引としては、想定されるボラティリティ上昇を取り込むため、オプションのストラングル戦略の活用を提案する。金オプションのインプライド・ボラティリティは主要中銀イベント前に上昇しやすく、会合前のポジショニングは金利見通しの急変に対して敏感になり得る。FRBが利上げの「正式な停止」を示唆する場合、金は現在のレンジ上限へ急伸する展開も想定される。
テクニカル面では、金は日足でレクタングル(ボックス)パターンに拘束され、重要な上値抵抗は4,200ドル近辺にある。先物取引では、4,200ドルを日足終値で明確に上抜けたことを確認してから、200日移動平均線の4,493.65ドルを目標とするロングを構築するのが望ましい。ブレイクが起きるまで、直近の上昇は大局的な下落トレンドの中での短期的な戻りと位置づけたい。
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