米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、金の非商業部門(ノン・コマーシャル)のネットポジションは前回の18.13万枚から19.4万枚へ増加した。この動きは、直近の報告期間における投機筋のポジショニングが一段と強まったことを示している。
今回の更新は、CFTCが定期的に公表する市場ポジション開示の一環として公表されたもの。数値は、金先物およびオプションにおける非商業トレーダーのネット建玉を指す。
金投機筋で強まる強気心理
大口投機筋は金価格上昇への賭けを拡大しており、ネットロングは19万4,000枚に増加した。これは機関投資家(資金運用者)の強気確信が強まっていることを示唆する。増加は3週連続で、トレンドが固まりつつある可能性がある。
こうした楽観は、足元で示されている景気減速サインと結び付いているように見える。例えば、2026年6月の米雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が16.5万人増にとどまり、市場予想を下回って成長見通しへの懸念が強まった。トレーダーは、FRBがより慎重な姿勢に傾くと見込み、ドル安を通じて金を押し上げる展開を想定していると考えられる。
さらに、インフレ指標も根強く、直近の消費者物価指数(CPI)はFRB目標の2%を上回る2.8%を維持した。インフレの粘着性は価値保存手段としての金の魅力を補強する。歴史的に、景気不透明感とインフレが同時に存在する局面は貴金属にとって追い風となりやすい。
現在の環境における取引戦略
デリバティブ取引の観点では、強気ポジションを構築しやすい環境が示唆される。上値を狙う戦略として、2026年9月または10月満期のアット・ザ・マネーのコールオプション購入を検討している。上昇局面への参加を可能にしつつ、最大損失を明確に限定できる点が特徴だ。
センチメントの変化を踏まえると、アウト・オブ・ザ・マネーのプット・スプレッドの売りにも妙味があるとみる。プレミアム収入を得ながら、金価格の下値に「床」が形成されつつある状況を活用できる。2019〜2020年の局面のように投機需要の積み上がりが続けば、大きな価格変動が近づいている可能性がある。
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