英ポンドは火曜日、米ドルが持ち直す局面でも1.3400を上回って推移し、GBP/USDは前日比0.03%安と小幅に下落して1.3425近辺で取引された。スイス外務省の発表として伝えられたところによれば、米国とイランが金曜日にスイスのブルゲントックで「了解覚書(MOU)」に署名する計画が浮上し、地政学リスクは後退した。停戦観測を背景に原油価格は下落し、市場の関心は米連邦準備制度理事会(FRB)の政策判断へと移った。市場は政策金利の据え置きを織り込み、手掛かりとして経済見通し(SEP)およびドット・プロット(政策金利見通し)に注目している。
米国指標では民間雇用の伸び鈍化が示唆され、ADP雇用者数の4週間平均は2万5,500人増と、前回(2万9,000人増)を下回った。英国では、今後発表されるインフレ指標と雇用統計がイングランド銀行(BOE)の政策決定につながる材料となる。政策金利(バンクレート)は3.75%で据え置きが予想される一方、マネーマーケットは33bpの追加引き締めを織り込んでいる。テクニカル面では、移動平均のトリプルが1.3475に位置してスポットを上回り、下向きのレジスタンストレンドラインは1.3553近辺。14日RSIは50をわずかに下回る水準で推移し、1.3428近辺にもレジスタンスが示唆される。
中央銀行の政策見通し
主要中央銀行の政策判断が相次ぐ重要週の開始にあたり、英ポンドは重要水準として1.2750近辺を維持するとみている。米連邦準備制度理事会(FRB)とイングランド銀行(BOE)の双方で利上げ・利下げ判断を控えるなか、市場は様子見姿勢が強く、トレーダーは当局からの明確なシグナルが得られるまで大きなポジションを取りにくい状況だ。
FRBは政策金利を据え置くとの見方が支配的で、5月のインフレ指標でCPI前年比が2.9%へ鈍化したことが、その見方を後押ししている。雇用者数の増加(17万5,000人増)は労働市場が減速しつつも底堅いことを示すが、FRBの判断を迫るほどの弱さではない。FRBの経済見通しにおいて、将来的な利下げの可能性が後退している兆しがないかを見極める。
一方、大西洋を挟んだ英国では、インフレ率が直近で3.2%と粘着的で、同業他国より高止まりしている。この乖離はBOEがよりタカ派的なトーンを維持し、米国よりも長期にわたり高金利を維持する可能性を示唆する。こうした政策スタンスの違いが、足元でGBP/USDの下値を支える主因となっている。
ボラティリティ戦略とテクニカル水準
こうした環境下では、強い方向感よりもボラティリティ上昇に備える構えとしている。政策発表後の値動きを捉えるため、ストラドルなどオプション戦略の活用を検討している。GBP/USDの1週間物インプライド・ボラティリティはすでに8.5%へ上昇しており、市場が大きな変動を見込んでいることを示す。
テクニカル面では、50日移動平均が1.2810近辺に位置し、目先の上値抵抗として意識される。この水準を明確に上抜けできない場合、相場は直近のサポートである1.2680近辺へ再び押し戻される可能性がある。したがって、BOEが想定以上にハト派的なメッセージを発するリスクへのヘッジとして、権利行使価格1.2700近辺のプットオプション購入を検討している。
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