米ドル/カナダドルは1.3990近辺へ上昇、米インフレがドルを下支え、原油安とカナダ中銀の慎重姿勢が重し

by VT Markets
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Jun 12, 2026

USD/CADは金曜日、米インフレ指標の強さとリスク回避ムードを背景に米ドルが下支えされる一方、原油安と慎重姿勢のカナダ銀行(BoC)を受けてカナダドルが圧迫され、1.3990近辺へ小幅上昇した。米国の5月生産者物価指数(PPI)はインフレの加速を示し、前年比は6.5%と2022年11月以来の高水準に達した。前月比も1.1%と市場予想を上回った。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)が引き締め的な政策スタンスをより長く維持する可能性が意識され、米ドルを支援した。また、中東情勢の緊張が続くなか、米・イラン和平合意の可能性が取り沙汰されているものの、米ドルは地政学リスクを背景に底堅さを保った。

カナダでは、BoCが6月に政策金利を2.25%で据え置き、エネルギー価格の上昇が広範にインフレへ波及している証拠は限定的だとしつつ、必要に応じて追加利上げの選択肢を維持した。原油の下落が「ルーニー(カナダドル)」の重荷となり、ワシントン—テヘラン間の外交進展に伴う世界のエネルギー供給改善期待が原油相場を押し下げ、ひいては輸出連動通貨であるカナダドルに波及した。市場の注目は、FRBの次の一手や短期的な米ドルの方向性に影響し得る、6月の米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)へ移る。

中央銀行政策の乖離と米ドルの底堅さ

当社は、中央銀行政策の明確な乖離を背景に、USD/CADが1.3750に向けて上昇していくとみている。米国では、直近の経済指標がFRBによる利下げ開始の先送りを示唆し、米ドル高要因となっている。一方、カナダドルは、先週のBoCによる利下げを受けて圧力がかかっている。

昨日公表された2026年5月の米消費者物価指数(CPI)は、インフレ率が3.8%と高止まりし、市場予想の3.5%を上回った。このサプライズによりFRB見通しの再評価が進み、先物市場では初回利下げ時期が2027年初に後ずれするとの見方が強まっている。これは中期的な米ドル高シナリオを補強する。

これに対し、BoCは先週、国内成長の鈍化と失業率が6.4%へ上昇したことを踏まえ、主要政策金利を3.25%へ引き下げた。米国との政策スタンスの分岐により、金利差は米ドル優位に拡大している。2018~2019年に見られたような過去の類似局面では、USD/CADの上昇が持続する局面につながってきた。

商品市況の弱さと取引機会

ルーニーの重しとなっているのが原油安で、WTI原油は1バレル=74ドルを下回った。背景には、世界需要の減速懸念と、OPECプラスの予想以上の増産がある。カナダは主要エネルギー輸出国であるため、商品市況の弱さは通貨に直接的な下押し圧力として作用する。

当社は、この環境下でボラティリティの上昇が見込まれ、オプション市場での機会が生まれると考える。想定される上昇トレンドを取り込む戦略として、満期が30~60日のUSD/CADコールオプションの購入は妥当な選択肢とみる。これにより、上値余地に参加しつつ、リスクを厳格に限定できる。

今後数週間で注目すべき主な材料は、米小売売上高と次回のカナダのインフレ指標である。これらは、足元の政策・景気トレンドが継続するかどうかを確認するうえで重要となる。米国経済の底堅さを示す追加シグナル、あるいはカナダ経済の弱さを示す材料が出れば、USD/CADの上昇が加速する可能性がある。

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