ダウ先物は週明け月曜の欧州時間に0.82%高の5万100近辺まで上昇し、S&P500先物は0.93%高で7,550を上回ったほか、ナスダック100先物は1.38%高で2万9,950を超えた。米国はメモリアルデーの祝日で現物市場が休場となるため、商いは薄くなる見通し。米国とイランの合意の可能性をめぐる観測が広がり、インフレ懸念とFRB(米連邦準備制度理事会)による追加利上げリスクが後退したことが追い風となった。
Axiosは、両国が合意に近づいており、60日間の停戦延長、ホルムズ海峡の再開、航行の自由確保に向けたイラン側の機雷除去を盛り込む一方、見返りとして米国がイラン港湾への封鎖を解除する内容だと報じた。Reutersはイランのタスニム通信を引用し、凍結されたイラン資産の解放に関わる条項についてワシントンがなお阻んでいると伝えた。ルビオ国務長官はニューヨーク・タイムズに対し、包括的な核合意は拙速にまとめられないとの考えを示した。利上げ観測はエネルギー起因のインフレに左右されやすい状態が続き、CME FedWatchでは年末までに25bpの利上げが実施される確率は約41.0%と示された。先週はダウが2.13%高、S&P500が0.88%高、ナスダック100が0.45%高となり、今週はPCE、GDP、所得・支出統計に加え、Zscaler、Salesforce、Dell Technologiesの決算に注目が移っている。
市場ボラティリティと戦略的オプション取引
米・イラン合意の可能性を背景に楽観論が広がる中、市場のボラティリティは低下している。市場の想定変動を示す主要指標であるVIXは直近で14を下回り、中東の緊張がより高かった数週間前に18近辺だった水準から大きく低下した。インプライド・ボラティリティが低い環境を活用し、プレミアム獲得を狙ってオプションの売りを検討すべきだ。
合意の最大の影響はエネルギー価格に及ぶ。ホルムズ海峡の再開は世界の1日当たり石油供給量のおよそ5分の1に影響するためだ。原油が現状の1バレル=95ドル超の水準から下落する展開を見込み、XLEなどエネルギーセクターETFのプット買い、あるいは燃料費低下の恩恵を受ける輸送関連株のコールを検討している。歴史的に見ても、2019年の緊張緩和のように一時的な解決であっても、原油価格は短期的に急落する局面があった。
インフレへの示唆とヘッジ検討
今回の地政学的な進展は、市場が警戒してきたインフレ・ストーリーに直接反する。直近のPCE(個人消費支出)価格指数は3.1%とFRBを慎重姿勢にとどめているが、エネルギーコストが大きく下がれば、年内追加利上げ確率(41%)は速やかに低下し得る。このため、ナスダック100のような金利感応度の高い指数のコールは魅力的だとみている。
ただし合意はまだ最終決着に至っておらず、双方に障害がある可能性も報じられている。この不確実性に対応するため、ヘッジとしてS&P500の安価なアウト・オブ・ザ・マネーのプットを買っている。仮に合意が頓挫すれば、リスク回避が急速に再燃し、この保険は大きな価値を持つと想定する。
月末にかけては、SalesforceやDellといったテック大手の決算が重要となる。決算後の大幅な値動きを狙い、ストラドルなどのオプション戦略を用いる準備を進めている。PCEインフレ指標とGDP統計も焦点で、ディスインフレ基調の確認につながれば、強気ポジションへの確信を高める材料となり得る。
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